「なるほど…」
珀の呟きが響いた。
家に帰り、彼らは珀達に報告した。
皆、話を聞いていくにつれ、神妙な顔つきに変わり、思案する。
「一先ず、そのタマゴを隠すことが賢明なのでは、珀」
海輝がすっと珀を見やり、言った。
珀はちらと海輝を見てから、一つ頷いた。
「・・そうですね。しかし、その集団がこちらに来ることはまず間違いない。
見つからないように隠すにはどうしたらいいか…」
その時。
シスイがふと口を開いた。
「・・私が持っているわ」
その言葉に一番に反応したのはやはり珀だった。
「!なりません、シスイ様」
「どうして・・」
「貴女が危険になるということはお分かりいただけますか」
そんなこともちろんわかっている。
シスイは心でそう反抗した。
自分がずっとタマゴを持っていることで、もし先ほどの男たちが襲撃してきたときに、真っ先に自分が狙われるだろう。
もしかしたら、ポケモンの技で攻撃してくるかもしれない。
だけれど。
「だけど、私はこのタマゴを孵す任務を授かった。タマゴを守るのも私の役目なのよ珀」
シスイは立ち上がって、珀の前に静かに立った。
そしてゆっくりと彼の頬を撫でた。
「シスイ様…」
大丈夫だから。
腑に落ちていない彼の顔を見ながら、シスイは綺麗に笑った。
珀はその手を握り、口元に持っていく。
「ならば、私たちは全力で貴女を守るまでです」
珀の言葉に、その場にいた全員が頷いた。
するとその時━━━━……
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