第1の報告
ある日。
『お嬢おおちゃあああーーーん!!…ぶほぁっ!!』
突如として窓に何かが当たって落ちる音がした。
「・・・・・」
「・・ムクホーク・・」
奏と牙がそれを上から覗き込む。
ムクホークは目を回して、倒れていた。
ピヨピヨと頭に星が見えそうだ。
「こいつ馬鹿なの?」
“あっちにいたときは結構かっこよさげに見えたのに”
奏は呆れながら、ムクホークを見て、それから牙を見た。
隣にいた牙は一つ頷くと、しゃがんでムクホークを軽く揺すった。
「おい・・おい」
『んぁ・・・?』
ムクホークはゆっくりと瞳を開け、むくりと起き上がった。
「ちょっと、大丈夫?」
「しっかりしろ」
奏と牙は未だふらふらしているムクホークを見て、一つため息を吐いた。
窓に思い切り当たってパサパサと落ちてきた鳥ポケモンは初めてだ。
奏はまたため息を吐き、ムクホークを引っ掴み、連行した。
『うお!!な、何すんだよ!』
「いつまでも倒れてないで、早く彼女に報告してよ」
そうして。
ムクホークは家の中へと連れて行かれたのだった。
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