本気を垣間見る。



「まだまだ・・か・・」
「シスイ様・・」


わかっているよ珀。


シスイはそう呟き、庭で洗濯物を干している相棒を見た。


ウツギ博士にタマゴを預けてから、まだ2日しか経っていないのだ。
その間は途轍もなく日が経つのが遅いような気がして。
シスイは何ともいえない表情をしていた。


それを心配そうに見る珀。
彼は正直、彼女が部屋に篭りきりにならないことが安心だった。
だが、そんな事は口には出さず、今日もせっせと炊事、掃除、洗濯とシスイの身の回りのお世話に勤しんでいる。


以前、シスイが珀に“そんなに身の回りのこと必死でやらなくてもいい”と言ったことがあった。
しかし、珀は彼女の身の回りのお世話をするのが生きがいなのだとすごい形相で伝えた。

そんな珀に気圧され、今ではシスイは黙ってされるがままになっているのである。



シスイはふっと息を吐き、彼が入れてくれた紅茶を一口飲んだ。




「こんなにウジウジ考えていても仕方ないわね。気長に待ちましょう」



うーんと伸びをしてテラスのイスの背もたれに身を預ける。
珀は“御意”とまた洗濯物を干すのを再開した。








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