差出人:なまえ
件名:(no title)
本文:今どこ


宛先:なまえ
件名:Re
本文:協会だ。どうした?


差出人:なまえ
件名:Re Re
本文:ちょうどいい。あんた引っさげて協会に文句言いに行こうと思ってたんだ。今いく、そこから動くな。


宛先:なまえ
件名:Re Re Re
本文:意味がわからない、説明しろ。俺何かしたか?


宛先:なまえ
件名:Re Re Re
本文:おい!返信しろ!


宛先:なまえ
件名:Re Re Re
本文:なまえ!






「いたな、ゾンビマン!」

一向にこない返信に痺れを切らすが、何やら重大そうな内容を無視するわけにもいかない。ビルのエントランスで待っていると、ものの数分でなまえはやってきた。走ったらしく息が切れている、にも関わらず顔色が悪い、蒼白だ。

「名前詐称しやがって、アンタなんか全然ゾンビじゃないじゃん、その名前剥奪してやるー!」
「落ち着け、まず説明してみろ。何が何だかまったくわからない」

今にも役員の所へ向かおうとしているなまえの肩を掴んで強引にソファに座らせる。俺の持っていた飲みかけの缶コーヒーをふんだくって飲み干すと、一息置いてなまえは話し始めた。

「さっきね、映画を見に行ったの。"ゾンビ"ってヤツ」
「お前普段映画なんてプリ◯ュアしか観ないくせにホラーかよ」
「そこよそこ!わたしゾンビってアンタみたいに再生能力のある人だと思ってたの。ゾンビマンみたいな人が主人公のヒーローものかなーって観てみたら、違うじゃん!傷だらけで超グロテスクな見た目だったよ!」

思い出したのか、なまえは眉間に皺を寄せて、青白い顔色を更に悪くさせた。お前がうっかりホラー映画を観て、だから何だ。俺に何の関係がある。適当に相槌を打って話を進ませる。

「だからわたし、どっちが正しいのか調べたの。そしたら"ゾンビとは、何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である"・・・だって。アンタ死んだことある?」
「ない」
「じゃあゾンビじゃないじゃん、詐欺だ!アンタがわたしに間違った認識させるから映画館でビクビク震える羽目になったのよ!慰謝料払えー!」

そういうことか。コイツの意味するところが分かった。とはいえヒーロー名なんて協会が付けたいい加減な物、しょうがないだろう。どいつの名前も"それっぽいから"で由来は全て片付く。俺の名前も"それっぽいから"。そんな物と定義を対照するのはナンセンスだ。第二の被害者を出さないためにも名前変更を求める!とボカスカ俺の身体を殴り始めたなまえを宥めすかす。そんなアホらしい勘違いするヤツなんてコイツくらいなものだろう。

「わかったわかった。ほら、気分直しにプリ◯ュアでも見に行こうぜ。代金出してやるから。これで慰謝料いいだろ」

途端に笑顔になるなまえ。全くもって容易いヤツだ。観終わるころには怒っていたことも忘れてくれるだろう。

コートの裾を引っ張って急かすなまえに馬鹿なヤツだなあ、と呟くと殴られた。





「ていうかウィキ◯ディアのゾンビの画もさあ、怖すぎなんだよね。心臓止まるかと思った!慰謝料!」
「はいはい、ポップコーンも奢ってやるから」
「わーい!」





璃玖さんの666キリ番リクエストでゾンビマンギャグでした。ギャグというにはギャグ分薄い気が・・・。ネタは666といえばオーメン、そこから派生。番犬マンも好きということでしたのでどこかしらに入れたかったのですが、撃沈しました。うちのゾンビマンを読んで頂けて嬉しいです、これからも焦点をよろしくお願いしますね。ありがとうございました!


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