スネイプから連絡を受けた。なんでも、ハリーが闇の陣営に騙されて魔法省神秘部に向かったらしい。不死鳥の騎士団本部にはもう報告済みのようだ。今数人が向かっている、わたしも続いて応戦に向かった。

騒音の聞こえる扉を開くと、中では既に激戦を極めていた。確認できるのは、ハリーとネビル、ルーピン、ムーディ、キングズリー、トンクスは階段の下で倒れているが死んでいるようには見えない、良かった。そしてあそこでレストレンジと闘っているのはーーーブラック?



「ブラック!死喰い人はわたしが相手する。今すぐハリーとネビルを連れて外に出ろ!」

どうしてここにいる?スネイプはブラックが本部に残っていると言ったじゃないか。わたしの言葉に聞く耳を持たないブラックは、まるで楽しむかのようにレストレンジと交戦を繰り広げている。

諦めてはいたが、こいつは昔から変わっちゃいない。ハリーの弱点はブラックだ。死喰い人共はブラックを餌にハリーを釣ったというのに、お前がのこのこと現れて嘘が真にでもなったらどうする。ブラックの為ならハリーは簡単に予言を渡すだろう。果敢で結構なことだが考えが甘く身勝手だ。



レストレンジがわたし達に向けて2本の閃光を飛ばす。それをすんでで避けるとブラックがレストレンジを挑発した。激昂した様子のレストレンジはブラックだけを見ている。わたしの失神呪文を上手くかわしたレストレンジは今度はブラックだけに閃光を放った。

弾かれたように空に投げ出されたブラック。その先にある、あの、アーチはーーー

すぐさまわたしはアーチに杖を向けていた。レダクト。一瞬にして崩れ落ちるアーチ。ブラックはそれをくぐり抜けることなく床に叩きつけられた。間に合った、君はハリーの為にも生き残らなければならない。

ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間。あのなんとも特徴的な、緑色の閃光が、わたしの身体を突き抜けた。軌跡の原点には目を怒らせたレストレンジ。ひんやりと身体が冷めていくのを感じながら、わたしの意識はブラックアウトしていった。





何年経ったって僕らは何も変わっちゃいなかった。そして彼女も変わってはいなかった。最後の最後にまたしても僕らの向こう見ずな行動を悔い入られてくれたのだ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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