わたしは少し言い過ぎたかなと思ったけれど、そんなに気にするわけでもなく、この嫌な雰囲気から解放されたかった。
パソコンがある部屋から出ようとすると、わたしの腕に鈍い痛みが走って腕を掴まれたことがわかる。
掴まれた腕の先には、無表情な臨也さんの顔。すぐ近くに、わたしの目の前にあった。
「待って」
「何ですか?」
「セルティには名前を教えたわけ?」
「自己紹介するのは当然です、」
臨也さんは人間が好きだから自己紹介することが習慣ということをとっくに知っているはずでしょう?
と、わたしが憎まれ口を叩こうとした瞬間、リップ音と共に唇が塞がれた。
「は、?」
わたしは引き離そうとするわけでもなく、こたえるわけでもなく、ただ時間が過ぎていくのを待ってから隙をついて自分の部屋に駆け込んだ。
あり得ない。何でここでキス?意味がわからない、なんなんだあの臨也。
悶々としながらわたしが出したのは、大人しく寝て明日にでも考えよう、でも考えるのがめんどくさくなってきたから死のうかなあという結論だった。
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