平和島静雄さんと話す二時間前、わたしは臨也さんに叩き起こされていた。

時計を見るとまだ朝なのに、わたしが寝ている部屋の窓を開けてすがすがしいくらいの風を送り込んできた。うざい。


「うざやさん…」

「…もう一回言ってご覧、もれなく殺しちゃうよ」

「おはようございます」

「ああ、そういえば昨日は盛り上がりすぎて名前を決めてなかったね。すごく不便だ」

「…誤解されるような口ぶりはやめてください。盛り上がったと言っても性的な意味ではなくて臨也さんの年齢についてわたしが突っ込んだら臨也さんが爆笑して年齢について深く語り始めただけですよ」

わたしは自分にかかっていた布団から身体が出ないようにゆっくりと起き上がった。

もしかしてペットって自分で自分のご飯とか調達しなくちゃいけないのかなあ、なんて考えていると、朝なのにもうきっちり着替えている臨也さんが目に入った。


「お願いがある」

「はい?何ですか改まって…気持ち悪……いや何でもないです」

「…10分でいい。シズちゃんとおしゃべりして」


臨也さんのお願いというものはわたしにしか出来ないことではないけど、臨也さんには出来ないこと。





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