池袋のサンシャイン60階通り。
わたしは池袋一強い男の人と対等にはなしをする女の子として、周りから無音の拍手を送られていた。


わたしの役目は平和島静雄さんを足止めすること。

こんな重大任務を任せたのはもちろん臨也さんだ。

メイド服を着て家事をしろと言われた方が楽だったんじゃないだろうか。何でわたしがこのよりによって平和島静雄さんの相手をしなくちゃいけないんだ。


「幽くん、この前見ましたよ。この街の外れで」

「ま、この街に住んでるからな」

「言っておきますけど偶然見ただけでストーカーとかじゃないですからね」


でも、何だかんだでわたしと平和島静雄さんの間にはぽつぽつと言葉を交わす瞬間があって、幽くんが平和島静雄さんの中で大きな存在であることを実感する瞬間だった。

幽くんはわたしの知り合いだ。幽くんに関する個人情報をかなり所有しているため、平和島静雄さんとも一応知り合いだ。
平和島静雄さんは弟さん…幽くんと首なしライダー以外には興味がなさそうな人。わたしは一応幽くんの知り合いだから、殴られることなくここに立っているということだ。





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