がらくた | ナノ

「燐」
「んあ?」
「それ、たべたい」
「このたまごやきか?」
「うん」
「や、やるよ」
「やった!ありがと燐!」
「別にいーって」

もぐもぐ。口に含んで噛んだ瞬間目を見開く。やだ、なにこれおいしい…!

「ん、まい!」
「よかった」

へへっと照れ臭そうに笑う燐にわたしも笑い返す。

「なぁ…」
「うん?」
「俺も貰っていーか?」
「いいよー、何にす、」

ちゅ、という音と頬に柔らかい感触。

「わ、わっつ…!?」

ばっと手で燐のくちびるが触れた部分をおさえる。

「うまいな、うん」
「り、りりり燐…!」
「なんだ?」
「なん、なんっ…な……」
「おかず貰ったんだよ」
「へ、あ、」
「なまえは俺のお、おかずだからな…!」
「り、燐のバカ!」



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