がらくた | ナノ

「アーサー!」
「なんだ」
「…ぶん殴らせろぉ!」
「?!」

ヒュン、と風を切る音。
持っていた剣をアーサーに思い切り振りかざす。
あと少しのところでむかつくほど華麗に避けられた。

「そ、れは殴る気がないように見えるが…?」
「あぁ、だって斬る気満々だもん」
「危ないじゃないか」
「斬らせろアーサー」
「なまえになら斬られてもいいが…」
「ふん」
「加減はしてくれよ?」
「嫌」
「フッ」

にいっと笑うアーサーにわたしは剣を構えなおす。
どこか嬉しそうな表情で笑うアーサーにイライラする。コイツ絶対、斬る。

「しかしまたなんでいきなり…」
「…別に、いつも斬りたいとおもっ…」
「シュラに何か言われたか?」
「ち、ちがう!!」
「ははっ!なまえは分かりやすいなぁ」
「う…、違うってば!」

べべべ別にシュラにあのアホ(アーサーのことだ)と最近よくしゃべってるよなー、文句言うわりには仲良くやってるじゃんにゃっはっは!って言われたからじゃない。仲良くなんかないって証明するために今、剣を向けているわけではない、決して!



110607