がらくた | ナノ

「シュラさん…」
「なぁになまえチャン」
「飲み過ぎです」
「にゃ?」
「にゃ?じゃないです、そんな状態でどうやって帰るつもりですか」
「え?泊まるつもりなんだけど」
「…泊まる…?」

わたしが聞けばシュラさんは泥酔して赤くなった顔でへらっと笑いこくりこくりと頷いた。

「どこにですか?」
「ここ」
「は、い?」
「だぁかぁらぁ、なまえん家に泊まるの!」
「……シュラさん…」
「だいじょーぶ!ベッド占領したりしねーもん!」
「いや、そういう問題じゃ…」
「にゃっはっは!ま、そんなことよりなまえもいっぱい飲も!」
「むぐ!?ちょ、は、な、なんで瓶ごとわたしに近付けて…って力強、い…!」
「ほーら口開けろって、アタシがいっぱい飲ませてあ、げ、る…」

ふ、と瓶を持ってわたしを押さえつけるシュラさんの瞼が落ちた。

「!」

そのままシュラさんの体が倒れてくるということはわたしがシュラさんに潰されるという意味で。

「ひ、うっ…」

む、胸が。胸が……っ!

「にゃはっ…むにゃ…」

この人、完全に落ちてる…!
わたしの薄っぺらい胸の上にシュラさんのナイスバディがのっかる図。…なんだか悲しくなってきた。
瓶が倒れなかったのは奇跡だ。手を伸ばしてもそのフタを閉めることはできそうにない。さてどうしたものかこの状況。…仕方ないから、このままわたしも寝てしまおう、か?なんて。

「……寝よ」

シュラさん起こすのは、なんか悪いしね。寝よう、おとなしく寝よう。


――…二人そろってお酒をかぶり目を覚ますまで、あと数分。



110522