がらくた | ナノ

「う、ッぜえええ…!!」

任務だ。
そう言っていきなり私の腕を掴み歩きだした奴に放った言葉には嫌悪しかこめられていない。

「上司にその態度はどうかと思うぞ、なまえ」
「チッ。…言っとくけど、私はまだアンタが聖騎士だなんて認めてないんだからね」
「まぁいい。オレはオレであることに変わりないからな」
「…ハイハイ。分かったから腕掴むのヤメテ」
「断る」
「……」
「離せばお前は逃げてしまうだろう?」
「に、逃ゲナイヨ…!」
「相変わらず嘘が下手だな、なまえは」
「ちょっと黙ろうか」
「そんなにオレが嫌いか?」
「少なくともアンタを好きだと思ったことはないよ、エンジェル」
「むかしはよくアーサー、アーサー!と言ってオレの後をついてき…」
「……あれは幻想だから」
「アッハッハ!なまえはたまにすごく面白いことを言うな!」

こんなふざけたセンスの服着た野郎が上司で幼なじみだなんて信じたくない。いや、あれは何かの間違い。



110513