がらくた | ナノ
「ねー、獅郎さん」
「おー、なまえ」
両手を後ろに組んだなまえがにひひ、と笑いながら俺のところにやってきた。
「メフィさんから聞いたんだけど、今日誕生日なのー?」
「おう。まあな」
「ささやかながら、わたくしからもプレゼントです!」
はいどーぞ!そう言って後ろに組んでいた手をバッと前に出した。その手にはリボン。
「な、ん…だこりゃあ…」
正直、なまえがそんなことをする奴とは思えん。メフィストの野郎…なに言いやがった…。まあ大方予想はつくがな。
「え、い、いやですか?」
「嫌って…そりゃ、イイけど…、じゃなくて、あー…」
「……メフィさんが絶対これで獅郎さんのハートを鷲掴みだって言ってたのに…」
「あのピエロは…ッたく、」
シュン、と落ち込んでしまったなまえの頭を撫でてやり、手に結ばれたリボンを取ってやる。
「し、獅郎さ」
「ばァか。そんな顔すんな、遠慮なく貰ってやっから」
「!」
その手を握りにっと笑ってやるとなまえが嬉しそうに目を輝かせた。
「し、獅郎さんだいすき!誕生日おめでとう!」
頬を少し赤くしたなまえがえへへ、と照れ笑いを浮かべた。ああ、クソ、可愛いな。メフィストの野郎はむかつくが、少しは感謝、だな。
110510