がらくた | ナノ

さて、今日も一日がんばりましょう!

みんなが来るまでにすることは教室の片付けと、外の掃きそうじ、かな。
教室の片付け、と言っても今日は月曜で昨日はおやすみだったからあまりすることがない。少しはやいかもしれないけど、外に出てほうきでもしながらみんなを待つとしよう。

「わ、柔造さん…!」
「おはよう、なまえさん」
「いつも早いですね」
「いや、なまえさんほどじゃないで」
「わたしは朝からはりきりすぎて、ついつい早くに…」
「仕事熱心でええことやないですか」
「そ、そうですかね」

外に出るとちょうど柔造さんがやってきた。柔造さんはわたしより先輩の先生だ。子供に好かれやすいお兄ちゃん的な性格をしているが、短気なところがあり柔造さんのことを怖がる園児もいたりする。

「廉造くん、今日は金造さんが連れてくるんですか?」
「そうやな。…本間は叩き起こして連れて来たろかと思ってんけどなぁ」
「廉造くんはゆっくり寝かせてあげて正解じゃないですかね」

お昼寝のときもずいぶんぐっすり、気持ちよさそうに眠ってますし。ほら、いつもはすごく早起きで寝たりなさそう、……あ。そこまで言ってわたしは口を動かすのをやめた。
い、いやだって、これじゃあ廉造くんを朝早くに起こすのよくないって言ってるみたいで。そ、そうじゃなくって…!

「い、いえあの、えと、」
「?」
「は、早起きは良いこと、です!」
「あっはっは!べ、別に気になれへんのにそんなん…ぷっ」
「う…す、すみません…」

柔造さんに笑われた。それも、ものすごく笑われた。これは、なんというか、空回りしすぎて恥ずかしい、な。

「まあ、廉造置いて来たんは二人きりの時間が増えるからやねんけど、ね…」

ぼそり。小さな声で柔造さんがなにかを言う。わたしが聞き取れなくて聞き返すと、なんでもないですと慌てた様子で言われた。
柔造さんはそのままほな俺は準備してくるわ、と言い残し行ってしまった。



110509
没ネタ。幼稚園パロで柔造先生と。