がらくた | ナノ

「あっちィ…」
「燐は海入んないの?」
「へ!?」
「ていうか、暑いのも無理ないよ。ずっとパーカーなんか着てんだもんよ」
「あ、アハハ、お、俺日焼けしたくねーんだ、よ」
とてもそんな風には見えないけど、ということは口に出さないことにした。
「砂遊びでもする?」
「おう!…って、なまえは海行かねぇの…?」
「海は泳げないからいかない」
「ふーん?」
にやにやした顔でこちらを見てくる燐。うわ、なにそれムカつく。海に行こうとせず日焼けしたくないとまで行った男にこんな顔で見られるなんて。どうせわたしと同じの理由のくせに…!
「海を見るのは、好き、だし」
「うん。俺も好き」
「泳げる人とか、羨ましい、し…けど、ちょっと悔しい…」
「うん…」
だから燐には砂遊びに付き合ってもらう。
「え!?強制?」
「うん」
「ま、まあ付き合うけど」
「二人で山作ってトンネル開通させよう!」
「子供かよ!」
「子供です!」



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