地球の皆さんのホットなシナプスを独り占め。ボニー・メリディアニの時間です。
これをお聞きのみなさんの中には、天体観測好きの少年少女もいるのではないでしょうか。見上げる星も綺麗ですが、レンズ越しに覗く天体も神秘的ですよね。そんな星空を眺めるデートに誘ってもらえたら素敵です。そして私はそこら辺の木になって、そんなふたりの仲睦まじい姿を眺めていたい派です。
アシラはもちろんそんな淡くて甘い想い出なんてありませんが、家族で流星群を観に行ったことがあります。夜中の三時に見晴らしのいい土手へと車で行くと既にご近所さんが何人もおりまして、空に青い星が流れる度に歓声が上がりました。何度も何度も降ってくる青い光。本当に息を呑む程大きくて、小さい私は震え上がるくらいに感動したものです。
それから日蝕や月蝕なんてイベントでなくてもよく夜空を見上げて星座を眺める少女になりました。それは大人になっても変わらずに、こうして遥か彼方の火星までやってきてしまいました。
今日お届けする楽曲は、ブラックバード。言わずと知れたビートルズの名曲ですね。私は落ち込んだ時はよくこの歌を口ずさんでおります。色褪せない音楽は夜空に瞬く星と同じ、人類の宝物です。
ブラックバード
夜の闇に唄うツグミよ
折れた翼を広げて飛ぶんだ
君は生まれてからずっと
羽ばたくこのときを待っていた
夜の闇に唄うツグミよ
落ち窪んだ瞳で見るんだ
君は生まれてからずっと
自由になるこのときを待っていた
ツグミよ、飛べ
ツグミよ、飛べ
暗い夜の闇の一筋の光へと
ツグミよ、飛べ
ツグミよ、飛べ
暗い夜の闇の一筋の光へと
夜の闇に唄うツグミよ
折れた翼を広げて飛ぶんだ
君は生まれてからずっと
羽ばたくこのときを待っていた
羽ばたくこのときを待っていた
羽ばたくこのときを待っていた
前夜、革命が君を呼ぶ前に
< SHINJI : Calling… >
< KAWORU : Answer >
もしもし?
カヲル君、もう寝てた?
いや、起きてたよ。
こんな時間にごめんね。今話せる?
君と話せるならいつだって大歓迎さ。どうしたんだい?
…声が聞きたくて。明日、だから。
うん。
眠れないんだ。
緊張するのかい?
僕、カヲル君と一緒に通えないかも。
そんなことないさ。僕は君の先輩になれるのを楽しみにしているよ。学校中に僕の恋人を自慢するんだ。
へへ。自慢なんてやめてよ。
ふふ。
でも…もしダメだったら?
君ならできるよ。
適当なこと言わないでよ。
僕はシンジ君が一生懸命頑張ってきたのを知っているから言っているんだよ。
…うん。
君ならきっと大丈夫。
そうかな?
僕はそう信じているよ。
でもさ、やっぱり考えちゃうんだ。もしもカヲル君と同じ学校に行けなくてだんだんすれ違って僕らが別れーー
ありえないよ。
どうして断言できるのさ。
僕はシンジ君が地球の裏側の学校に行ったとしても変わらずに君が好きだよ。距離なんて関係ないさ。
…綺麗ごとだよ、
おっと、ひねくれ者のシンジ君がやってきたようだ。
だって…僕のこと嫌いになった?
ひねくれている君もまた愛らしいよ。
もう。カヲル君ってちょっと変だよ。
僕のこと嫌いになったかい?
ふふ。変なカヲル君も…好き。
僕もシンジ君が好きだよ。
……
…さあ。もうすぐ真夜中だからね。そろそろ寝た方がいい。
うん。話聞いてくれてありがとう。
お礼を言うのは僕の方さ。たくさん頑張ってくれて、どうもありがとう。
ありがとうは受かってからにしてよ。
合格したらありがとうのキスをするのに忙しいからね。
皆の前じゃダメだよ。
もうずっとおあずけだから我慢できないよ。
君ならできるよ。
…いじわるだね。
ふふ。今はこれで我慢してね…チュッ
……
おやすみなさい。
おやすみ…君がベストを尽くせることを祈っているよ。
ありがとう。またね。
またね…
< SHINJI : End >
< KAWORU : End >
…はあ。今度は僕が眠れないよ。君が恋しい。
The BeatlesのBlackbirdでした。火星ほど離れていてもあなたのA10神経がこの放送を受信してくれている。この気持ち、どんな言葉で伝えられるのでしょうか。
番組の感想は高性能テレパシーにていつでもお待ちしております。そして随時、番組へのリクエストも募集しております。あなたのご意見が火星を通じて地球へ華麗にカムバック。何かありましたらDJアシラへと何でもテレパシっちゃってくださいね。次回はインタビューを予定しております。誰かはヒミツ。お聞き逃しなく。さあ、あなたのシナプスが弾ける前に今回はこれにて。ごきげんよう。
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