It exists.
*

『……は?』

「まぁ君に拒否権はない。」

『いやいやいやいや、急に来てそれはないじゃろ。』

仁王は冷や汗をたらしながら必死に否定する。
そんなことがあってたまるか、と。

「君には終わりなき人生を歩んでもらうよ」

『意味が分からん。話をききんしゃい。』

「つまりは、〈人間が永遠の命を授かるとどうなるのか〉という俺たちの実験に協力してもらおうってこと。」

『…なして皆を殺したん?』

「えー…話飛んだねー。」

『答えんしゃい!!!』

不満そうにする神に仁王は激昂する。
仁王からしてみれば神に仲間を殺されたのだ。
怒らないはずがない。

「わー、あの詐欺師がこんなに取り乱してるなんて(笑)仲間ってやつがそんなに大事?(笑)」

『ああ大事じゃ。文句あるんか?』

「怖い怖い(笑)んーじゃあ質問に答えるよ?」










「この世界は滅亡した。」

あまりにもスケールの大きい話に仁王は絶句した。
世界の滅亡?

つまりは、死んだのは仲間だけではないということ。

「だからほんとは仁王雅治、君も死んでたんだよ。まあ君は実験台だから生きてるけど。」





なぜ俺が選ばれてしまったのか―――。
まさか世界の滅亡に立ち会うとは思わなかった。

「でね、もうすぐこの世界消えるからとりあえずすすめるよ?」

『!消える…?』

「うん。まぁそれはどうでもいいや。で、君には―――」












「転生してもらう




永遠にね。」





ふざけるな――

そう叫ぼうにもだんだんと意識が遠のいていく。

なぜ、

なぜ俺が――――――っ


「あ、死のうとしても無駄だよ。だって、また転生するんだから。」

利口な君ならわかるよね。
死ぬことがどれほど無意味かを。
だったら―――



「生きて」




その声を最後に、意識は途絶えた。









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