It exists.
*

状況を把握したい。

とりあえず、生まれた時間は同じらしい。

さらに、そこにいた父親も同じ。


「生まれてきてくれてありがとう…私の赤ちゃん……っ」


母親も同じなんか。



これはこの世界の俺と考えてええじゃろ。

違うんは…




性別のみじゃな。








「名前は何にする?」

「俺とお前の娘…『雅』なんてどうじゃ?」

「まぁ!いい名前だわ!!そうしましょ!!」

前々から決めとらんかったんじゃな。

まあええんじゃけど。

今日から俺は雅か…


演じきってやるぜよ。
















「バカじゃないの?あいつ。」

「大偉神様、どうなされました?」

「雅も自分なのに。雅が何かも分からないのに。演じるって…」

「は、はぁ…?」

「…きみは分からないのかな?俺の言っている意味が。」

「……人間を大偉神様が気にする必要はないかと、」

「そういう問題じゃない。

俺は人が永遠に生き続けた結果をしりたいのに…イリュージョンの一貫にされたら意味がないじゃないか…っ」

「…お言葉ですが、」

「…っなんだい?」

「その生き方が仁王雅治ならば、それもそれで実験結果かと。」

「…………ハァ。ごめん認める。俺は仁王に自分を偽って欲しくなかっただけだ。少なからず責任はかんじているからな……。」

「そうですか。やはり息子の友人ということもありますしね。」

「精市は失敗作だけど。まあそれでも一応血族だからね。」

「失敗作…ですか。」

「あぁ。才能は全て、あの子のほうにいってしまったからね。」

「…そう、ですね。」



「とりあえず、期待しておこう。仁王雅治。」





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