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状況を把握したい。
とりあえず、生まれた時間は同じらしい。
さらに、そこにいた父親も同じ。
「生まれてきてくれてありがとう…私の赤ちゃん……っ」
母親も同じなんか。
これはこの世界の俺と考えてええじゃろ。
違うんは…
性別のみじゃな。
「名前は何にする?」
「俺とお前の娘…『雅』なんてどうじゃ?」
「まぁ!いい名前だわ!!そうしましょ!!」
前々から決めとらんかったんじゃな。
まあええんじゃけど。
今日から俺は雅か…
演じきってやるぜよ。
「バカじゃないの?あいつ。」
「大偉神様、どうなされました?」
「雅も自分なのに。雅が何かも分からないのに。演じるって…」
「は、はぁ…?」
「…きみは分からないのかな?俺の言っている意味が。」
「……人間を大偉神様が気にする必要はないかと、」
「そういう問題じゃない。
俺は人が永遠に生き続けた結果をしりたいのに…イリュージョンの一貫にされたら意味がないじゃないか…っ」
「…お言葉ですが、」
「…っなんだい?」
「その生き方が仁王雅治ならば、それもそれで実験結果かと。」
「…………ハァ。ごめん認める。俺は仁王に自分を偽って欲しくなかっただけだ。少なからず責任はかんじているからな……。」
「そうですか。やはり息子の友人ということもありますしね。」
「精市は失敗作だけど。まあそれでも一応血族だからね。」
「失敗作…ですか。」
「あぁ。才能は全て、あの子のほうにいってしまったからね。」
「…そう、ですね。」
「とりあえず、期待しておこう。仁王雅治。」