フルーティなお題 | ナノ




ソファーでヤナップを抱きしめヒヨリが座り。
そんなヒヨリをノボリが抱きしめて座って。
まったりと過ごすこの時間。
時々ノボリがヒヨリの髪をいじって遊んでいれば、ヒヨリが振り向き目が合う。
抱きしめていた腕をずらし、頬に手を添えれば唇にキスを落とす。
ゆっくりと顔を離せば、思い出したような申し訳ないような表情を浮かべてノボリが言った。

「あ、そうだ。ヒヨリ、今度の休みなのですが、申し訳御座いません。仕事が入ってしまいました」

それを聞けば、一瞬だけ悲しい表情を浮かべた。
2人は今度の休みを利用して、買い物に行く予定だったのだ。

「そっか、お仕事なら仕方ないもんね」
「申し訳御座いません、ヒヨリ」
「謝らないでよ。お仕事大事だもん」
「しかし・・・」

どこか寂しげな笑顔をノボリに向ければ、困った表情をする。

「大丈夫だよ。ノボリさんがいないのは残念だけど、今度の休みはノボリさんの家でヤナップとまったりしながらノボリさんの帰り待ってるから」
「寂しく・・・ないのですか?」
「寂しくないって言えば嘘になるよ。今度のデート、すごく楽しみにしてたから・・・」
「ヤナナ、ヤナップナププ!!」

ヒヨリがそう言えば、ヤナップがヒヨリに振り向いた。
ヤナップが何を言っているのか大体理解したヒヨリはヤナップに微笑んだ。

「じゃあ、今度の休みは私とデートだね、ヤナップ」
「ナァップ!」

そう言えば、ヤナップは嬉しそうに両手を上げた。
ノボリは笑いあうヒヨリとヤナップを見てくすくすと笑った。

「どうして笑うの?」
「いえ。ヤナップはちゃんとわたくしとの約束を守っていただけてるのだなと思いまして」
「約束?」
「それは内緒で御座います。ね、ヤナップ」
「ナァップ!」
「何よ、それー」

むすぅと膨れるヒヨリにくすくす笑うノボリにヤナップ。
ヤナップはきちんと、ノボリと交わした約束を守っているのだった。


さくらんぼ、繋がってるから寂しくないよ
(ノボリさんがいなくて寂しいなって思うときもあるけど、ヤナップが傍にいてくれるから。寂しくないよ)


それは3人の心のつながり。


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