ハーブは医務室のベッドに戻ってくると、プリキュアの変身を解いた。
ベッドに座り、荒れた息を整えた。

「はぁはぁ・・・。でも、どうしてコブラージャが・・・」
「あいつ・・・何か知ってそうだった・・・」

このはとホップは互いの顔を見やった。



プリキュアとサブウェイマスター



―――コンコン



部屋のノックオンが聞こえた。
その音にこのははびくっと反応してしまった。

「コノハ様?」
「げっ、ノボリさんだ」

ドアを叩いた主はノボリだった。
ノボリの声を聞いたこのはは慌てて布団へと潜った。

「失礼しますよ」

扉を開けてノボリが入ってきた。
ベッドの隅に腰を下ろして、このはを見下ろした。

「気分はどうですか?」
「だいぶいいです・・・さっきの怪物はどうなったんですか?」
「謎の女の子が出てきて、怪物をやっつけていきました」

謎の女の子。
その言葉にこのはが固まった。
ノボリはこのはの顔を覗きこんだ。

「コノハ様?」
「えっ、何でもないです!」

ノボリから視線を逸らしたこのは。
冷や汗が頬を伝う。


―――やばい、正体ばれる・・・?


恐る恐る視線をノボリに戻せば、ノボリは先ほどのことを気にしない様子で話を始めた。

「あの、コノハ様はこれからどうなさるおつもりで?」
「自分の家に帰ると言いたいところなのですけど、自分の家は事情があって帰れなくて・・・」
「でしたら私の家にいらしてくださいませ」
「えっ・・・?でも、行方不明の彼女さんに悪いですよ!!」
「大丈夫です」

大丈夫も何も、行方不明の彼女はいま目の前にいるこのは自身。
その容姿、その言葉使い、物腰の柔らかさ。
全てが行方不明の彼女と一致する。
クダリの言うとおり、彼女がこのはだと自分も信じたい。
でも、どうして記憶がないのか。

「何が大丈夫なのですか!!」

このはがノボリに怒鳴る。
彼女がいるのに、別の女を家に入れて良いのかと思っているのだろう。
だが、ノボリも引かない。
ここで引いてしまったら、2度とこのはに会えなくなってしまいそうだから。

「とにかく、私の家に来てくださいまし!!」

普段のノボリからは考えられない声の荒々しさ。
このはの肩がびくっと震えた。

「はい・・・」

この気迫ではこのはが折れるしかなかった。


―――――――


ノボリの仕事を終え、家にやってきたこのは。
鍵を開け、玄関に入る。
家の広さに顎が落ちそうになる。

「結構広いんですね・・・」
「ええ。こちらがあなたの部屋で御座います。ご自由にお使いくださいまし」
「ありがとうございます」

部屋に案内され、このはは1歩部屋に入った。


―――え・・・?


固まるこのはにノボリは首を傾げた。
一体どうしたというのだろうか。

「どう、しました?」
「いえ、何でもないです!」


何だろう、懐かしい感じがした。
私、ここに来たことあるの・・・?

「少ししましたら、あなた様の生活用品を買いに行きましょう」
「わかりました」

ノボリが部屋を後にする。
このはは胸の奥で芽生えた胸の違和感が気になって仕方なかった。

「このは・・・」

ホップが不安そうにこのはの顔を覗いてきた。
このははそっとホップの身体を抱きしめるのだった。


[back]


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -