ノボリさんとのお買いものは結構楽しかった。
私好みの洋服やご丁寧に下着まで知っているのか、そう言うお店にも連れて行ってくれた。
洋服屋さんには一緒に入れたけど、さすがに下着屋さんまでは一緒に入れず、
ノボリさんは外で待っていてくれた。
下着のサイズとか知られるのもちょっと恥ずかしいし。
でもね、買い物が終わるまで手だけは絶対に離さなかった。
繋がれた手から伝わってくるノボリさんの温度や優しさが心地よかったんだ。


プリキュアとサブウェイマスター


「すみません、ノボリさん。買っていただいた上に荷物まで持っていただいて…」
「良いのですよ、そのためについてきたのですから…」

生活用品や洋服類を大量に買い込んだ。
彼女さんの部屋にあったものを借りてもよかったんだけど、それはさすがに彼女さんに悪いと思った。

それに彼女さんは服のサイズがМだから。
Sの私には少しだけ大きい。

「ノボリさん」
「何でしょうか?」
「彼女さんってどういう人なのですか?」

ちょっと気になってたから聞いてみた。
私によく似ている彼女さんらしいけども。
だけどノボリさんは固まった。
私は首を傾げた。

「そうですね…コノハ様見たいなお方ですよ」
「私みたいな?」
「ええ」

と言うことはロリコンなのだろうか。

「心配しなくても、彼女はれっきとした成人女性で御座いますので」

思ってたことがばれたみたい。
ノボリさんはふっと笑うと、前を見据えた。
きっと、脳裏には彼女でいっぱいなんだろうな。
私はノボリさんの傍にいて良いのだろうか?

「コノハ様、そんな顔をしないでくださいまし」
「・・・え?」
「何だかとても泣きそうで御座いますよ」
「そんなことは・・・」



―――ポロリ。



目から一粒の涙が出てきた。
私、どうしちゃったのかな?

「あ、れ?」
「コノハ様・・・」
「私、どうしちゃったんだろう・・・」

涙が次から次へと溢れてくる。
こんなに泣いたの、いつ以来だっけ?

バサッと荷物が落ちる音が聞こえてきた。
その次には私はノボリさんの腕の中にいた。

顔を上げるとノボリさんと目が合った。

「ノボリ、さん?」
「落ち着くまでこうしていますから・・・泣かないでくださいまし」

そっと、涙を拭ってくれたノボリさん。
彼女さんには悪いと思ったけど、私は彼の腕の中で思い切り泣いてしまった。



『ノボリさんなんて大嫌い!』



「!!?」

しばらくすると脳裏に言葉が過ってきた。
驚いた私は顔を上げてノボリさんを見た。

「コノハ様?」
「”ノボリさんなんて大嫌い”」
「!!」

先ほどの脳裏の言葉を呟いてみた。
ノボリさんの表情はみるみる変わっていく。

「ノボリさん?」
「いえ、何でもありません。落ち着いたみたいですから、帰りましょうか」
「はい」

そう言うとノボリさんは落とした荷物を手に取り歩き出した。
私もその隣を歩く。今のは何だったのかな?


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