ノボリとクダリを見て、おびえた表情を浮かべたヤナップ。
それを見て、ヒヨリは優しくヤナップに声をかけた。

「ヤナップ、覚えてる?ノボリさんとクダリさんだよ。あなたをポケモンセンターに連れて行ったとき、心配して駆けつけてくれたんだよ」

ヒヨリの言葉にうーんと考え込むヤナップ。
ノボリとクダリは優しく微笑むと、ヤナップの頭を撫でた。

「こんにちわ、ヤナップ!」
「あなたが御無事で何よりですよ」
「ナァップ!」

ノボリとクダリの言葉に良くしたのか、ヤナップは上機嫌になった。

「クダリ、せっかくのいい機会です。ヒヨリ様とヤナップにわたくし達のパートナーをご紹介いたしましょう!」
「それはいい考えだね、ノボリ兄さん!」

そう言うと、ノボリとクダリはモンスターボールを宙へと投げた。
お互いのパートナーを呼ぶ。

「では。シャンデラ、出発進行!」
「シビルドン、全速全身!」


I love you


「デラッシャーン」
「シビビ〜!」

白い光とともに現れたノボリとクダリのパートナー。
出てきたは良いが、何故か睨まれている。

「「・・・」」

呆気にとられるヒヨリとヤナップ。

「あの、すっごく睨まれてるのは気のせいですか・・・?」

ヒヨリの言葉にヤナップも頷く。
ノボリは苦笑しながらヒヨリに謝った。

「申し訳御座いません。この子達はバトルが好きなものでして、バトルするのと勘違いなさったのでしょう」

ヒヨリははぁ、と言ってシャンデラとシビルドンを見た。

「ご紹介いたします。こちらがシャンデラ、わたくしのパートナーに御座います。あちらがシビルドン。クダリのパートナーです」
「さ、2人とも。ヒヨリちゃんとヤナップにご挨拶して」
「シャーン!」
「シビビー!」

クダリにそう言われれば、2匹は片手を上げてヒヨリとヤナップに声を上げた。

「私はヒヨリ。こっちはヤナップ。よろしくね、シャンデラにシビルドン!」

ヤナップもナァップといって片手を上げた。
ヒヨリの腕から抜け出し、シャンデラとシビルドンに向かって歩き出す。
2匹と向き合い、次の瞬間にはじゃれあいを始めた。
それを見て、ヒヨリはそっと胸を撫で下ろすのだった。

「よかった。仲良くなれて。さっきは大変だったから・・・」
「なにかあったの?」
「実は・・・」

ヒヨリはお茶を飲みながらノボリとクダリに先ほどのことを話し始めた。
ヨシエのところに寄ったとき、常連の駅員がヤナップを抱き上げたら突然泣き出したこと。
ヒヨリがヤナップをあやせば、すぐに泣き止んだこと。
ヒヨリはとても楽しそうにその出来事を話した。

「ほう・・・」
「そんなことがあったんだ」
「ヤナップはヒヨリ様がお好きなのですね」
「えっ・・・?」

ノボリの言葉に目を丸くした。
シャンデラとシビルドンと遊んでいるヤナップの方を見る。


―――ヤナップが、私のことを・・・?


そう思うと、ヒヨリはいっそう笑みを柔らかくするのだった。


[Back]

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -