3-3


 プレジデント元社長の社葬から数日経った頃、ジュノンでは相次いで兵士の不審死が起こった。

 私達は連日のテロによる警備ロボットの増設対応や新社長歓迎式典の準備で、夜遅くまで仕事をする日も増えていた。
 それでも夜中まで残業する場合には複数名で行動したり兵士に護衛を頼んだりするようにするくらいしか対策はない。

 しかもどうやらその犯人として名前が挙げられているのは、死んだはずの英雄セフィロスらしい。彼を目撃したという証言が複数あり、現場は混乱を極めていた。

 そんな中でも新社長歓迎式典は開催されるという。
 きっと彼の事だから、そんな事で逃げるような真似はしないという事が言いたいのだろうけれども。
 しかし私は新社長の身が心配でならなかった。本社に押し入ったアバランチも逃亡していると聞くし、セフィロスがもし本当に生きていて襲撃なんてされたら太刀打ちできる人はいないのだから。

 それでも、今神羅に出来ることは式典を成功させること。だからその為の準備に私も奔走していた。


 いよいよ式典を明日に控え、私は神羅兵が行進する際に持つマスケット銃の準備に追われていた。

「ええと、こっちは第三小隊の分で、ここからが……」

 大量の銃とリストとにらめっこしていると、突然私の電話端末から着信を示すメロディが流れる。

「これ、誰だろう」

 パネルに表示されていたのはただの数字の羅列。これは、かけてきているのが登録されている相手ではないということだ。
 職場の人達やよくやり取りする他部署の人、取引先に実家、それから……シスネ。そしてこちらも繋がらないのに消せなかった、ルーファウス"副社長"の番号。
 私の電話にはこのくらいしか登録されていないのだけれど、急用かもしれないのでとりあえず出てみることにする。

「はい、兵器開発部門のナマエです」
『ナマエ・ミョウジだな』 

 男の人だ。
 どこかで聴いたことがあるような、でもすぐには思い出せない声。

『タークスのツォンだが』
「あっ、ツォンさん」

 ツォンさんには世話になったこともあったのに、電話越しだからといってすぐに分からなかったことに申し訳なくなる。
 でもツォンさんはそんなことには全く興味もないのだろう。

「あの、タークスの方が私に何の御用でしょう?」

 プライベートや普通の仕事の依頼ならまだしも、タークスから接触があるというのは基本的に良い事だというイメージがあまりない。彼等は裏の仕事をする集団だから、そう思うのは神羅の社員なら皆同じだろう。
 彼等が大量に殉職したことも、仄暗いイメージに拍車をかけていた。

 けれど彼は以前、私からの無理なお願いを聞いてくれた。だから彼の話を聞き、指示があれば従う義務が私にはあると思う。

『今夜21時、アルジュノンのとある店に来てもらいたい』

 ツォンさんは相変わらず淡々と、突然私が知らない店の名前と場所を説明しだす。
 それが業務かどうかすら分からない。
 呼び出される事になんの心当たりも、勿論無い。

「私、何かしましたか?」

 恐る恐る問うとツォンさんは少し黙った。そしてその後、本当に僅かだったけど電話の向こうでふっと笑った声がした。

『そう構えることはない……だが必ず来るように。明るい道を通ってくるんだぞ』

 ツォンさんはそれだけ言うと、私がまだ話そうとしているのに一方的に通話を切ってしまった。

「……どういうこと?」

 通話終了の文字を眺めても答えは貰えそうにない。

 しばらくするとメールの着信を知らせるポップアップが出た。差出人名、ツォン。
 それはアルジュノンにあるお店の名前と場所が記載されただけの、事務的なメールだった。

「ツォンさんと、サシ飲み……?」

 真意は分からないけど、そう考えるのが普通だろう。
 行かない選択肢は貰えなそうだから、とりあえず行ってみるしかなさそうだ。


 なんとか約束の時間までに割り当てられた明日の準備を終えて、私は大急ぎでアルジュノンに向かう。今日は見回りの兵士もいつもの倍近く配備されていたので不安になることなく出歩くことができた。

 気付けば街のあちこちに『ルーファウス神羅』と書かれた幕が下げられていて、本当に彼が明日ここにやってくるのだという現実に胸が熱くなった。
 それと同時に、彼がもう手の届かない遠い所に行ってしまうんだという事実に、少し苦しくなる。

 元々たまたま接点があって知り合っただけで、本来ならば関わることのない立場だったことには変わりない。今までが特別だっただけで、ただ元に戻るだけ。
 もしかしたらツォンさんはそれを言いに来るのかもしれない。
 余計な期待はするな。あの方はもう、今までほどの自由すら無い立場になったのだからと。前よりも、はっきりと。

(分かってますよ、ちゃんと)

 前に会ったときもそう言ったじゃないですか。私はただ、たまたま偶然が重なった結果親しくしていただいていただけですって。
 そう、今日もまたツォンさんには念押ししようと思う。
 私だって、立場が変わっても気に掛けてもらえるなんて変に期待して、傷付きたくはない。
 心の中でそっと想って、彼の力になれればそれで良い。

 そんな風に考え込んでいるといつの間にか指定されたお店の前まで来ていた。
 寮と職場の往復ばかりしている生活を送っていたので、この辺りは普段来ることがない。私は緊張しつつドアの前に立つ。

 前にもこんな風に急いで呼び出されたお店に来たな、懐かしいな……あの時は彼が誘ってくれたんだよね、お陰でシスネと出会うこともできたんだ……。と、沢山の思い出を脳裏に浮かべながら私はドアを押した。
 すると感じの良い店員さんが私の顔を見るなり奥の部屋に案内してくれる。

「お連れ様はまだお見えでないので、こちらでお待ちください。先にお持ちするよう仰せつかっているのですがお飲み物は何がよろしいですか?」

 どうやらツォンさんは個室を取ってくれたらしい。ジュノンなんて神羅の人間しかいない街なのに。
 けれどもタークスは基本的に表立って行動する人達ではないから、何でも念入りに行動しないとならないのだろう。
 私のような一般社員を相手にするにも根回しをしないといけないのだから、なんとも気疲れしそうな仕事だ。

 店員さんに飲み物を頼んでから、改めて周りを見回してみる。
 それほど広くない部屋だけど、少し落とされた照明とBGMが心地良い。
 ソファの座り心地も丁度良くて、これがタークスとの待ち合わせでなければ、連日の激務で疲れた今、気を抜くとすぐにでも眠ってしまいそうだ。
 
 飲み物をチビチビ飲みながらどれ位待っただろうか。本当に寝落ちてしまいそうになっていたその時、店員さんが誰かを案内する声と共に足音が聞こえてきた。

「こちらでございます」
「ご苦労。後でまた呼ぶ」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」

 聞こえてきた声はツォンさんのものではない。
 
 この声は、もしかして……。

 ドキドキして、心臓が痛い。

(でも、そんな筈は……)

「すまない。待たせてしまったな」

 恐る恐る開かれたドアの方に目を向けると、少し暗い部屋の中で金色の髪が間接照明に照らされて、キラキラと輝いていた。

 本当に、胸が張り裂けてしまいそう。

「立ち位置がどうのやら、タイミングがどうのやら……。皆細かい事ばかり気にするものだから堪らない」

 小脇に白いジャケットを抱えて、さも普通にテーブルを挟んだ向かいのソファに腰掛けたその人。
 それは私がもう何年も願ってやまなかった、一目でも良いから会いたかった人。

「しゃ、ちょう……」

 彼は少しネクタイを緩めると、テーブルに肘をついて両手を組んだ。

「"副"をつけなかったな。褒めてやろう」

 彼は楽しそうに笑いながら店員を呼び、飲み物といくつか軽食を注文した。
 あまりに唐突に、しかも普通にやってくるものだからその現実味の無さに私は軽くパニック状態だというのに。

「言っておくが、ナマエの夢ではないぞ」

 私の心を見透かしたように、社長はくつくつと声を殺して笑いながらそう言った。

「全然普通……なんですね」

 私も私でもし会えたらまずこう言おうなんて考えていた言葉もあったのに、辛うじて返した言葉はこんなもので。我ながら可愛げがないことは分かってる。

 社長はそんな私に微笑んでみせた。まるで私の心を見透かしているかのように。

「慌てる必要はないからな」

 そしてようやく運ばれてきたボトルから、社長のグラスに飲み物が注がれる。

「再会に」

 それだけ言ってまた微笑むと社長はグラスを掲げる。
 腑に落ちないことだらけだけど、とりあえず私も素直に従うことにした。

 グラスが軽く触れる音が部屋に響く。

 聞きたいことも言いたいことも沢山あるのに、いざ彼が目の前に現れるとなかなかうまく言葉に出来ない。言葉を発すると一緒に涙が出てきてしまいそう。

 そんな私の様子を眺めていた社長はゆっくりとグラスをテーブルに置いた。

「色々と、俺に文句があるだろうな」

 そんな台詞を言いつつも彼は楽しそうな表情を浮かべている。

「言い訳はしない。俺の手落ちで、しばらくお前と連絡も取れない状況になった。そしてそれがようやく終わった、と。そういう事だ」
「出張、だったんですよね?」
「あぁ……。まあ、そうだな」

 この返事は彼にしてはなんとも歯切れが悪い。けれど彼は目を伏せてこれ以上この話題について話したくないという素振りだったので、追求はしないことにした。
 そもそも私はそんな事が出来る立場でもないのだから。

「すみません。どこからお話したら良いのか、分からなくて」

 何か話題を、と思っても舞い上がりすぎて上手く考えられなくて。ふと口をついて出たのは正直な今の気持ち。
 そうしたら社長は、緊張しているのか? と、まるで小馬鹿にするように笑った。

「ツォンさんが来るのかと思ってたので」

 笑われたことへのせめてもの抗議と、初めから本当の事を言って欲しかったという意味の皮肉も込めてそう言ってみる。

「ツォンのほうが良かったのか?」

 冗談だという私の真意は分かっているだろうに、社長は意地悪く口の端を上げて言った。

「しばらく会わない間にツォンと懇意になったか。あいつも隅に置けないな」
「……そんなこと無いって知ってますよね?」
「フッ、冗談だ。お前が新しい仕事を任されて一生懸命頑張っていたのは分かっている」
「そう、ですか……」
「またコンペで賞を取っただろう。スカーレットにまで気に入られるとは、恐れ入った」

 実は社長はちゃんと私のことを気にしていてくれたと言う事らしい。そう思ったら、悪態をついた私は恥ずかしくて下を向くしかなかった。
 本当に、社長のこういうところは前から変わらない。

「長いこと連絡出来なかったのは本当にすまなかった、ナマエ」

 名前を呼ばれて顔を上げると、社長の青い瞳が真っ直ぐ私を見つめている。
 さっきから自分の心臓の音がうるさい。社長に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいに。

「ツォンに仲介を頼んだのは驚かせたかったのもあるんだが、俺が呼び出したらお前が来ないかもしれないと思ったからだ」
「そんなこと、あるわけ無いじゃないですか」
「突然連絡もせず何年もそのままで、お前は怒っているかもしれないと……。まあ、俺らしくないことは確かだな」

 珍しく、少し困ったように眉を下げる社長。彼がこんな風に気弱なことを言うなんて。

 よく見ると社長の顔には疲労の色が浮かんでいる。

 それもその筈。突然唯一の肉親がテロリストに殺されて、世界一の企業のトップに立つことになったのだから。しかもテロリスト達は逃走中で、あろうことか死んだはずのかつての英雄まで出現し、会社も街も未だ危険にさらされている。

 社葬での毅然とした立ち姿の裏で、彼がどれだけ苦労したのかは分からない。あれだけなら特に苦も無くこなしたのかも知れないけれど。
 でもさすがに何日も色々な問題の対応に追われていたことは簡単に想像できるし、慣れないことも多かっただろう。

 そんな中で、彼は僅かな時間を縫って私に会いに来てくれたのだ。

(どうして、そんなに良くしてくれるのかな……)

 突然連絡を寄越さなくなり、何度か連絡したのに武器のメンテナンスもほったらかしにしたことに対する罪滅ぼしだということは想像に難くない。
 でも多忙な彼の貴重な時間を割いてまでその罪滅ぼしをしてもらう程、私は彼の役に立てていないのに。

 それに、去年は誕生日プレゼントまで届けてくれた。
 多忙な社長にこんなに気を使わせてしまったなんて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 それでも……。

「またこうしてお会いできて嬉しいです、とても」

 素直な気持ちでそう伝えると、社長は今まで見たことないくらい目を丸くして驚いた表情を浮かべた。

「怒る理由なんてどこにも無いです。でも、ずっと心配してました……。だから去年プレゼントを下さったときは本当に嬉しくて」

 あの日貰った香水、今日付けてくればよかったな。仕事の日はどうせオイルなんかの臭いで上書きされてしまうし、そもそも社長本人に会えるなんて夢にも思っていなかったと、そんな風に思ったりして。

「それなら俺の方こそ礼を言うべきだな。あれはちゃんと役に立ったぞ」

 私が贈ったのは色気もへったくれもないコインと新しい銃。彼ならきっと分かって、必要ならば使いこなしてくれるだろうという期待を込めて。
 そしてどうやらちゃんと私の思惑通り役に立ったらしい。それが実践できたということは、彼が窮地に立たされることがあった訳だけれど。

「あれを放ったときの侵入者の顔は笑えたぞ」

 社長はその場面を思い出しているらしく、コインを放り投げてそれを撃つ真似をしてみせた。どうやら本社に押し入ったテロリストと直接対決したらしい。

「ディーも上手くやってくれた。あれはお前の仕込みだな?」
「はい、よく分りましたね。ダークネイションなら賢いからきっと出来ると思って」
「ああ。ディーがお前仕込みだと言いたげにしていたからな」

 どうやらダークネイションはちゃんとあの銃にサンダーを当ててくれて、雷を纏った弾丸を撃ち出すという連携技は成功したらしい。
 テロリストも手こずったはずだ。

 しかしそんな相手と戦って無傷だったはずがない。こうして目の前にいる社長を見る限り普通だけれど、滅多に弱いところを見せない人だから本当に大丈夫なのか心配になる。

「そう心配するな。捕らえることができなかったのは残念だが、奴らを泳がせて得られる物もある」

 私が険しい顔をしていたからかそう言って不敵に笑う社長は、これから一体どれだけの危険と戦っていくつもりなのだろう。いくら強い人だからと言っても、心配しないなんて事あるわけ無いのに。

「見ての通り、俺は元気だ」
「そこまで言うなら、信じますけど……」

 今度は私から、社長の青い目を見つめてみる。
 そうすると、いつか一度だけプレジデントと直接言葉を交わしたあの日のことを思い出す。
 あの時は同じ色の瞳に、彼のことを思い出して無性に泣きたくなったんだっけ。

「本当に、本物……なんですよね」

 私が小さく呟くと、社長の唇が緩やかに弧を描く。それは自信たっぷりに。

「本当に、本物だ」

 そう言うと社長は立ち上がって私の隣までやってくる。
 ソファが沈んで、顔を上げるとすぐ目の前に青い瞳。

「もし夢なら、ここで覚めるだろうな」
「そう、かも……しれませんね」

 本当に本当に、目の前にいるのは本物の神羅カンパニー新社長、ルーファウス神羅。そんな人に至近距離で見つめられれば、簡単に圧倒されてしまう。

 それに、私にとってはそれだけではない。
 淡い片思いを続けて、何年も何年も、ずっと会いたかった人。

 彼を間近にしたら胸の奥から込み上げてきた気持ちで目頭が熱くなってくる。
 ここまで我慢してきたんだから、もう少し……せめて一人になってからと、そう思うのに。

「悪かった」

 段々と視界が歪んでくる。

「社長、違うんです。社長は悪くないんです。すみません……」

 涙というものは、止めなければと思う程止まらなくなるのはどうしてなのだろう。
 私は何故かこの人の前では泣いてばかりだ。

 でも、会いたい人たちに会えなくなってずっと不安だった心がやっと解けていくものだから。

「ナマエ」

 社長の手が膝の上で握りしめた私の手をそっと包む。俯く私の目からその手の甲に涙がこぼれ落ちた。

 握られた手に、少し力が込められる。

 この人はこんなにも優しい。だからこそこんな風に困らせたくないのに。

「ずっと心配でした……」
「本当に悪かったと思っている。許してくれ」
「ミッドガルで沢山テロが起こって、もしかしたら、って」
「不安にさせたな」
「シスネだって……っ、いなくなっちゃって……!」
「……ああ、そうだな」

 遂に気持ちを吐き出し始めた私の言葉に、社長は小さく頷いて相槌を打つ。
 その間ずっと、私の手は社長の手のひらに包まれていた。いつか私が包んであげきれなかった、大きな手に。


「あの、すみません。本当に……もう落ち着きました」
「そうか、それは良かった」

 しばらくしてようやく昂ぶった気持ちが治まってくると、この状況はなんだか気恥ずかしい。
 社長はそんな私の心の中を知ってか知らずか重ねていた手を離した。でもまだ私の手は随分熱いまま。

「言っておくが、心配されて俺が迷惑だと思っているなどと考えるなよ」

 社長はそう言いながら得意げに鼻を鳴らした。こんな些細な仕草すら懐かしい。

「こんなに器の大きい男はそういないぞ」

 この人が言うともし冗談でも冗談に聞こえないし、言っている内容も尊大なのに、本当の事だと思うほかない説得力。
 良い意味で気が抜けた私は、ようやく心から笑うことができた気がする。

「ふふ。明日の式典、陰ながら応援してますね」
「しっかり目に焼き付けておけよ」

 更に尊大な言葉を吐く社長の表情には、一転してどこか苦さもあって。
 どうしたのかと様子を伺うと、社長は一つ溜息をついた。

「ようやく社長の座についたんだがな。残念だが、これからしばらくは落ち着かないだろう。いくつか厄介事が重なっている」
「そうですよね……ジュノンもなんだか物騒ですし。どうか無理はしないで下さい」
「俺を誰だと思っている? だがそうだな、ナマエ」

 社長はそこまで言ってから、改まって私に向き直る。

「どの問題もすぐに解決してみせる。だからその後に……改めてお前に話をしたい事があるんだが」

 そう言って、彼はもう一度私の手に自分のそれを重ねる。

「その時は、俺に時間をくれるな?」

 そして、さっきから不安な顔をしてしまっていた私を安心させるように、社長は柔らかく微笑む。
 それはあの花火に照らされた思い出の日に見せてくれたものと同じ、穏やかで優しい笑顔だった。

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