秩序の要塞(2)


 その碧は、その人の全てを隠していた。兜に隠れていて、その人の容貌が全く掴めない。瞳の色も、髪の色も。その表情も、分からない。
 分かるのは、少しばかりくぐもっている声が男のものであることと、落ち着き払っていることだけ。少なくとも、私を排除しようという様子はないということしか、分からない。年の頃は、どれほどだろう。声だけでは判別が全くつかないが、少年のものでないことだけは分かる。私よりも、隣に立つ彼の方に近いだろうか。
「会ってほしい者とは彼女か、ガンダルヴァ」
「あぁ」
「一見すると、ただの少女のように見えるが」
 その鎧の奥から私をじっと見ているらしい碧の騎士は、続いて隣の彼へと顔を向けた。ここから碧の騎士の立つ窓際までは数十歩はある。兜の奥にある瞳の色を読み取ることなど、不可能だ。何を思って彼がそんなことを言ったのかは、当然分かるはずもない。
「……オレ様が出した使いは、それなりに事情を説明してったと思うが?」
「君の口から聞きたいと思うことは、悪いことか?」
 離れた場所に立つ二人は視線で殴り合っているようにも見えた。普通に考えれば、碧の騎士と彼は上司と部下の関係にある。私が横から何か口を挟むことは、許されない。
「ちっ、分かったよ」
「あぁ、そうしてもらえると助かる」
 観念したように彼が舌打ちして応じると、碧の騎士は笑い声を上げながら小さく頷いた。ばさりとマントを翻してから、こちらへと近付いてくる。鮮やかな碧地の布が、陽の光を受けてキラキラと輝いているように見えた。同じように光を浴びる鎧もまた、神々しい。
「はじめまして。秩序の騎空団の団長のヴァルフリートだ。ここまでご苦労だった。さぁ、座って話をしようか、お嬢さん」
 今まで見たこともないほど軽やかに片膝を突いて挨拶をする碧の騎士に、私は何も言えなかった。差し出される手にただ重ねるだけで、精一杯。生身の肌ではなく鎧に包まれた手であるからそれが冷たいことは仕方がないことだが、それでも、私を傷付けないように丁重に扱っていることは分かった。金属の塊というのは、油断すれば柔肌を切り裂いてしまうものであると、これは父から教えてもらったことだ。
 応接用のソファだろうか、そこに座らされた私は、改めて碧の騎士を見上げた。兜の奥にある瞳と、目が合ったような気がした。柔らかく微笑んでいるように見える。
 私の手を離した碧の騎士は向かいに座る。私の横にはここまで私を連れてきてくれたドラフの彼が腰掛けた。二人の男性に挟まれるという威圧感に気圧されそうになるが、逃げ出したい気持ちを何とか堪える。ここを逃げ出してしまえば、ますます私は他者の嫌悪の視線にさらされることになるのだ。せめて、話が終わるまでは、何とかここにいなければならない。
「さて、ガンダルヴァ」
 テーブルに両肘をついて手を組んだ碧の騎士は、私ではなく隣の彼に声を投げた。
「報告を」
 先程の柔らかな声とは打って変わった淡々とした声は、この人が団長であることを示していた。部外者である私でも従ってしまうような、何か不思議な強制力があるように思える。
「まどろっこしい報告は好きじゃねぇから、結論から言う」
 対する隣の彼は腕を組んで答えた。彼を見上げた私と、彼の片目と目が合った。何を思っているのかは、分からない。
「お前がオレ様に命じた調査。街のいざこざの原因はこいつだ。昨日は暴言、今日は暴行を受けていた。住民はこいつ一人だけを囲っていて、武器は無し。オレ様が声を掛けたら一斉に散って行ったとこを見るに、恐らくは常習犯だろう」
「相手の年代は?」
「どっちもガキだ。昨日の方がガキだな。今日はこいつとあんまり変わらねぇように見えた。だから暴行に及んだんだろうな」
「ふむ……」
 碧の騎士が私を見る。兜の奥に隠された瞳が、私の全てを見通すようだった。殴られたり蹴られたりした場所が今更のようにズキズキと痛むようだ。
「それで、そんなにボロボロなのか」
「ボロボロ……?」
 言われた意味が分からずに首を傾げると、隣から溜息が聞こえた。どうしてだろう、と思っているとその大きな手が私の服の裾を引いた。見ろ、という風に言っているような気がして自分を見下ろす。
「あ……」
 靴の痕に、泥汚れ。破れこそしてはいないものの、たしかにこれは清潔とは言い難い。もしかすると、秩序の騎空団の庁舎に入ってからの痛いほどの視線は、この格好のせいなのかもしれない。
「その様子だと、君自身が傷を作っていることもあまり分かってないようだね」
「傷、ですか」
「あぁ、あちこち擦り傷ができている。あと、顔も腫れているね。年頃のように見えるお嬢さんにしてもいい暴行ではない」
 傷、と自分の手を見ると、たしかに赤くなっているし、皮が破れているところがある。けれど、それはもう日常的にできている傷であり、今更意識するようなことではなかった。あの時間さえ耐え凌げば痛みは自然と引いていくし、消毒さえすれば問題は無い。医者に見せなければならないような傷ができるわけでもないから、応急手当で十分なのだ。
 だが、こうして指摘されると体のあちこちが痛むようだったから、不思議だった。何か、忘れさせようとする心理でも働いているのだろうか。
「痛覚が麻痺しちまってんな」
「そうみたいだ。君の言う通り、この子が問題の当事者であることは間違いないようだ」
 うん、と碧の騎士は頷いた。
「それで? わざわざこの子をここまで連れてきて私に会ってほしいというのは、調査の協力のためか?」
「……お前、違うと分かってて訊いてるだろ」
 隣の彼の声が引き攣っていた。碧の騎士は何が何でも彼から事情を全て話してほしいらしい。先に使いの人から話を聞いているのにどうして、と思うも、きっと両者の話に食い違いがないことを確かめるためであろう。
「君の口から聞きたいと言っただろう?」
「ちっ」
 心底嫌そうな対応だが、何故だろうか。分かっているのに言わせるなという風に聞こえるが、どうもそれ以外にも何かあるように思えてならない。ならないが、出会ってすぐの私と彼で、何かが理解できるわけもなく、私はただ二人の会話を聞いているしかなかった。
「この問題。オレ様は住民の方に問題があると考えた。話を聞くに、こいつは何の理由もなく暴行を加えられているだけかもしれない」
「それは、君の憶測だろう?」
「そうだ。だから連れ出した。こいつの話では、街の住民はこいつに非があるから暴行を加えてるっつう話だ。じゃあ連れ出してここで問題が起こるようであれば、こいつに原因があるし、そうでないのならまた新たな騒ぎが起こるだろ」
「もしここで問題が起こらず、街の方で騒ぎが起きなかった場合は?」
「それは、こいつと街の住民の間で何らかの問題があったということで直接話を聞けばいい。いずれにせよ、オレ様はこいつが街にいる限りは騒ぎが収まることはないと思ったし、環境を変えてみりゃあ答えが出ると思った」
 ……この人達は、知っていた? 私が、ずっと、あんな目に遭っていることを?
 碧の騎士と隣の彼の話を聞く限り、そうとしか思えなかった。彼ははっきりと『この問題』と口にしたし、碧の騎士も調査を命じたという。話を聞く限りでは、街の方で何かがあったということだが、それはどうやら騒ぎであるらしい。その中身までは触れていないが、二人の言葉を整理してみても、私が常に受けている嫌がらせの話としか思えなかった。
 街の住民は秩序の騎空団にバレないギリギリのところを狙っていたはずで、それがもう何年も続いていて。けれど、この人達は知っていた。知っていたから、私はここに連れてこられたのかもしれない。
 ……どうして、今更。
 暴行がエスカレートしたというわけでもないし、噂になっているということもなかったはず。下層の住民達は皆私のことを目の敵にしていて、私を庇ってくれる人は誰もいない。中層以上の住民はそもそも下層に下りてくる用などほとんどないはず。そして旅人や見回りの騎空士に見つからないよう、彼らは細心の注意を払っていたはずだ。私への虐めはそういう手回しがあって長いこと続いていたはずなのに、どうして。
「なるほど。一理はあるかもしれない。その判断は尊重しよう」
 俯いて思案している間にも、会話は続いている。碧の騎士は、私を連れ出したことに異議は唱えないらしい。
「その上で問うが、君の使いからはこうも聞いている。この子に居場所を与えるよう配慮してほしい、とね。どういうことかな」
「言葉通りの意味だ」
 何てことはないと、彼はそう言った。
「街じゃあ生き辛そうだから、どこかしらに居場所を与えてやりたい。そんだけだ」
「……居場所と簡単に言うけどね」
 隣の彼の発言を聞いて、碧の騎士は溜息交じりに呟いた。
「それは、君が率いる船団に加えると、それ以外の選択はないんだが。ガンダルヴァ」
「そうしろってんだよ、ヴァルフリート」
「えっ!?」
 ギョッとして慌てて隣の彼を見上げた。その視線は私の方へと向けられることはなかったが、ハッタリでも何でもなさそうなのは、雰囲気で察することができた。本気だ。本気で彼は、私を連れて行こうとしているのか。秩序の騎空団の庁舎に留め置くということではなく、騎空士として、連れて行くと。
「彼女には何も言ってないのか」
「あんなとこで詳しい話をすることもできてねぇからな。オレ様と来いとしか言ってねぇ。だが、使いに言付けた話はちゃーんと聞いてるぜ?」
「……その割には驚きが大きいように見えるんだけどね。船団に加えるとは一言も言ってないだろう」
「それはな」
 はぁ、と碧の騎士が今度こそ溜息を吐いた。次いで、その視線を私の方へと向けてくる。
「お嬢さん、君はこのアマルティアの街の住民であることは間違いないね?」
「は、はい」
「親御さんは騎空士かい?」
「父は元騎空士でしたけど、結婚を機に艇を降りたと聞いています」
「じゃあ、君自身が騎空士になりたいと思ったことは?」
 ありませんと即答しようとして、答えに詰まった。本当に、ないのだろうか。ただの一度も、騎空士になりたいと思ったことは。
 ……逃げたいと、思ったことはある。
 もしもこの街から逃げ出せれば、こんな風に毎日傷を負わなくても済むのかもしれないと、そう考えたことはある。でも、それは不可能だと分かっている。所詮は夢物語だと。逃げ出すためのコネもお金もない。街から出て自立するほどの剣の腕があるのかも、分からない。ここ以外で一人で生きられる場所があると、思えなかった。
 結局、私はこの街で生きるしかない。
 答えは、いつだってそこに辿り着く。
「……ありません。この街にしか、私の居場所はありませんから」
「ガンダルヴァ。彼女はこう言っているんだが? 騎空士になりたいという願望すらない、そんな子どもを連れて行くのが正しいとでも言うのかい?」
「毎日毎日街の住民に表から裏から虐げられてるとしてもか?」
 その言葉に顔を上げて、彼を見た。どうして、と唇の動きだけで問う。
 知らないはずだ。街での騒ぎだけならば、秩序の騎空団に何らかの形で耳に入って、今更動いたとしてもおかしくはないのかもしれないが。
 ……この人は、それ以上を、知ってる。
 当事者しか知らないはずのことを、この人は知っているようだった。どこまで知っている。何を、知っている。
 暴言と暴力以外の何かを、知っているはずだ。『裏から』と言った以上、表立っていない、騒ぎにはならずとも確実に私の心を病ませる嫌がらせが存在していると、分かっているはずだ。それは、私が言ったことのないもので、街の住人も口にすることのないもの。ただ、形として残っているというだけで、そんなのが存在しているとは、街の子ども達も、恐らく知らないというのに。
 それなのに、どうしてこの人が知っているのだ。
 声にならない問いを、この人は読み取ってくれたらしい。「はっ」と少しばかり呆れたような声を投げられた後、じっと私を見下ろして口を開いた。
「曲がりなりにも船団長をやってて、この街の問題に対処するために呼び出されたんだ。細かい調査を重ねてりゃあ悪い噂くらいは耳に入るさ」
 悪い、噂。それは、どこに蔓延っているものであろうか。まさか中層以上でそういったものが存在しているのだろうか。広大な街を虱潰しに調査するのであれば、上層の方から手を広げていくのがベターだろう。中層であれば、下層の住民も買い物に訪れることが多く、交流もある。何かしらの噂が流れていてもおかしくはない。
 だが、所詮噂は噂だ。それ以上のことを知ることなど、できはしないであろうに。
「その上でちっとばかし調べさせてもらった。そんだけだ」
 調べただけで、分かったというのか。そんな、馬鹿な。彼らは、徹底的に隠していたというのに。一体、どうやって。
「……ま、誤算はあったがな」
「誤算?」
 唖然として隣の彼を見上げていると、面白そうに彼は口を開く。急に楽し気になったそれに、碧の騎士も訝しむ。
 あぁ、と言ってから彼は言葉を続けた。
「こいつは強いぞ、ヴァルフリート。うちの団の者から一本取りやがった」
「ほぅ」
 それに、碧の騎士も面白そうに相槌を打った。乗った、とばかりに隣の彼の瞳が光を帯びたようであった。
「小柄な体を活かしたスピード勝負。パワーも申し分なく、小細工も使える。単なる手合わせではあったが、きちんと鍛えてやりゃあ伸びる」
 あの手合わせは、そう長い勝負ではなかった。呆気ない、とまではいかなかったが、一般的な戦闘に比べれば短い方だと思う。それは、極々稀に見る騎空士同士の手合わせを見ていれば明らかだ。私達の勝負は、早く着いた。相手が一手目を譲ってくれなかったら、多分もっと長かったと思うし、負けていたかもしれないとも思う。
 それなのに、この人はあの手合わせを私が思うよりもかなり評価してくれていた。別に、特別強いわけではないというのに。騎空士から見れば、体力はない方だ。それは、この第四騎空艇団の庁舎に来るまでの道のりを考えれば明らか。きちんと鍛えれば、という前置きこそあるものの、それがあったとしても、少し、評価が高すぎるように思う。
「こんなとこで埋もれさせて潰されちまうくらいなら」
 臆することなく、堂々と一騎空団の団長に、彼は相対して言葉を紡いだ。本来部下であるべき彼が、そう堂々と言っていいものか。多分、本当はダメなんだろう。でも、この人は、私をあの場所から連れ出すためだけに、こうして掛け合っていた。
「オレ様が連れ回して自由ってもんを教えてやる。両親もいないんだ。本来なら保護されるべき年齢だろうが。問題ないだろ」
「両親が、いない……?」
 そうなのか、と碧の騎士が問いかけてくる。私は、小さく首を縦に振って答えた。
「事故で、亡くなりました。今は、街で一人で暮らしています」
「……そうか」
 暫くの後、碧の騎士は静かにそう答えた。息を吐き出して、思案するように、少しばかり俯いたように見えた。私の処遇、そして隣の彼からの要求をどうするかを考えているのであろう。
「全く君は……、時折信じられないくらい懐が深いところを見せてくれる」
 呆れすら混じっているようにも聞こえるが、碧の騎士は答えを出したようだ。顔を上げた時に、兜と鎧が擦れたのか、カチャンという音が鳴った。
「オレ様は強いものが好きなだけだ。もしもこいつが弱かったら、こんなことは言わねぇよ」
「あぁ、そうだろうとも。君は、そういう男だ」
 二人の付き合いはそれなりに長いのであろう。隣の彼の言葉を、碧の騎士は全て分かっているかのように頷いた。
「分かった。君の要求を呑もう。君が連れて行くといい」
「な……!」
 驚きのあまり目を見開く。何かを言わなければ、と思ったのにそれ以上の言葉が出てこない。
 連れて行くと、いい。それは、つまり。
「だとさ、よかったな。これでお前が迷惑な存在なのかどうか証明できる」
「本気、ですか」
 絞り出した声は、驚くほどに震えていた。
「私は、何もできないのに。本気で、私を連れて行くと……?」
「二言はねぇ。ヴァルフリートの許可が下りたんだ。お前は、秩序の騎空団の一員として来てもらう」
「そういうことだ。よろしく頼むよ、お嬢さん。それで、君の名前は?」
「あ……」
 どうやら名乗っていなかったらしい。そういえば、使いの人が庁舎に行ったのは私が名乗るよりも前だから、名前など知るはずがない。ということは、今私の名前を知っているのは、横にいる彼だけ。
「メイリエといいます」
「メイリエ、ね。では、メイリエ。しばらくはこのアマルティアの庁舎を使うといい。ガンダルヴァの話や他の団員の話を聞くに、君を街に帰すのはどうやら良くない判断と言えそうだ」
「よろしいのですか……? そんな、いきなり」
 いくら巨大な組織とはいっても、いきなり人が増えることはないであろうし、まして突然貸せる部屋などないであろうに。そこまで世話になってもいいのだろうか。
 この街の住人なのだから、家に帰ったっていいというのに。そこまでしてもらっていいわけがないであろうに。私は、ただの厄介者なのに。
「良いとも」
 だが、返ってきた答えはあまりにもあっさりとしたものだ。穏やかな声が滔々と紡がれる。
「君は今日から秩序の騎空団の一員だ。当然、庁舎を使う権利はある。それに、もしも後ろめたいと思うならばこれからの働きで成果を出せばいい。君の働きで返してくれればいい。それだけだ」
 実力主義だとでもいうのだろうか。碧の騎士としては私にそう気負うことはないと言いたいだけなのであろうが、私個人としては気になるところだ。いきなりそんな待遇を受けても、本当に。
「気にすることはない。これは我々の問題でもある。当事者たる君にも協力してもらうから、もしも見返りが必要だというなら情報を教えてくれればいいさ」
「……わかり、ました」
 この嫌がらせに対する情報を吐いて、私が無事でいられる保証はどこにもないけれど。でも、私の身柄が名実ともに秩序の騎空団のものになったというのであれば、調査に協力するのが筋であろう。そうでなければ、これだけの待遇を受けていいわけがないのだ。これは対価。そう、払わなければいけない対価なのだ。
「活動をするにあたって書いてもらわなければいけない書類なんかもある。事務方の職員を君の下に向かわせるから、彼らの指示を聞いて提出してほしい」
「分かりました」
「庁舎の案内は君に任せるよ、ガンダルヴァ」
「はいよ」
 話はまとまったようであった。碧の騎士はソファから立ち上がり、私達に背を向けて、窓の外の景色を見下ろした。何かに、対峙するようだった。
 私も立ち上がって、腰を折る。
「お気遣い、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう尽力します」
「あぁ、期待している。話は以上だ。まずはゆっくり休むといい」
 はい、と返事をすると、ドラフの男性に手を引かれた。どうやら、退出するらしい。部屋を出る直前にもう一度だけ後ろを振り返ったが、碧の騎士の視線がこちらに向けられることはなかった。何かを考えているようだった。それ以上の言葉はなく。私達は団長の部屋を退出した。

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