《ミサキ視点》

横でパーンと叩かれる音がした。
3つ同時に振り落とされたのか、妙に音がでかい。

座禅中のため確認することはできないけど、
おそらくこのお仕置きをくらったのは横にいる三和と、雀ヶ森と櫂だ。

「いってぇ...」
「ちっ」
「痛いですよー…なんで叩くんです!」


三人の表情が目に浮かぶ。
三和は苦笑しつつ肩を撫で
櫂は舌打ちしたまま眉間にシワを寄せて
雀ヶ森は口を尖らせ拗ねているのだろう。

「当たり前だ。始める前の忠告をもう忘れたのか」

(高校生が何やってんだか...)

自分達より多少幼い小学生や中学生すらまだ叩かれていないのに。

気付けば、先ほどの雀ヶ森の質問から始まった短い説教は終わり、また静けさが戻ってきた。


やっと落ち着いたと思った時、鼻の上がムズムズしてきた。

「んっ...くしゅんっ」

しまった。
耐えきれなくて思わずくしゃみをしてしまった。
私は直ぐに痛みに耐える体勢を取ったが、
予測とは裏腹に、その警策は隣へと落とされたらしい。

「いってぇよ!俺何もしてねぇだろ!」

隣の三和は訳が分からないといった声色で必死に抗議している。

「えー…でも女の子には優しくって教わりましたよ?」

(どんまい、三和。そしてありがとう、シャーリーン)

笑いを堪えるのが大変だったが、なんとか耐えその場を乗り切った。






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