《櫂視点》
勝手にしろと言った俺が間違っていた。
「くぁーい、足が痺れてきました...」
「...」
「かぁーい、どうして動かないんですかー」
「...」
「くぁーい?」
ツンツン
(...イラッ)
「うるさいっ!!」
俺の声に一瞬ビクッと肩を震わせたレンだが
直ぐに面白い物を発見した子供のようにニヤっと笑った。
「やっと構ってくれましたー!かぁい、大好きです!」
「っつ...?!は、離れろっ」
くっそ...なんで許可したんだ!
いや、まさかレンがここまで無神経なやつだなんて思って無かった。
「ところで、何故皆静かに座ってるんです...?」
普通分かるだろ、座禅なんだから...!
その時俺は、レンのあまりの無神経さに苛立ち
キョロキョロと周りを見渡すレンの動きが止まった事に気付くのが遅れた。
「知るか...!」
「櫂!後ろっ!」
「は...?」
三和の声に気付かされた時にはもう既に遅く、
肩に激しい痛みが伝わっていた。
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