《アイチ視点》

「じゃあ僕はここで」

レオンくん達から受け取った座布団を畳の上に敷きその場に正座した。

「アイチ、座禅は足を組んで座れ」
「え?...あぁ、そっか」

隣で綺麗に座っている櫂くんに座り方を指摘され、慌てて体制を直す。

「じゃあ僕は櫂の隣に」
「………勝手にしろ」

挟むような形で僕とレンさんは櫂くんの隣に座った。

レンさんの隣には三和くん、その隣にミサキさん、次にカムイくんが座り、
全員が横一列に並ぶ形になった。

「では、直堂は俺とシャーリーンとジリアンで行う」
「姿勢が崩れたり、居眠りしたり、余計な事をしたりした時は容赦なくこの警策で叩きますよぉ」
「くれぐれも気を付けな」

直堂と言う言葉は分からなかったが、三人の雰囲気から何となく予想はできた。

「大丈夫かな...僕」
「心配するな。目を閉じてじっとしてればいい」

僕に声を掛けた本人を見ると、瞳は薄く開かれ、斜め真っ直ぐ先を見詰めていた。
多分これが正しい姿勢なのだろう。

(それにしても綺麗だな、櫂くん)

「なんだ」
「あっ、ううん...ごめん、何でもない」

見とれていたのに気付いて、さっと目を反らす。

「まずは足の組み方からだ」

レオンくんが説明を始めたので、それをしっかり聞き正しく座り直して
一時間の座禅を始めた。






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