《三和視点》
「遅いぞ。」
はぁ...はぁ...
行き着くや否やまさかのコイツらとご対面。
寺までの坂は殺す気かと思うくらい急で長かった。
「何故お前らがここに居る」
隣に立つ櫂は何故か息すら切れていない。
そして目の前には、警策を持った蒼龍レオンとその両脇にシャーリーン・チェンとジリアン・チェンの双子が櫂と睨み合うように仁王立ちしている。
「決まっているだろう。お前らを待っていたんだ」
「そぉですよー、座禅をさせるために」
「分かったらさっさと中に入って座りなさい」
「ちょっと待ってください!」
「なんだ」
「店長の言っていた担当の方ってまさか...」
「あぁ、俺達だ」
「何か文句でもある?」
マジか...
「有るに決まってんだろっ」
「オーバーロードを返せ」
「そうですよ!くぁいのオーバーロードを何処に落としたんですかっ」
「まぁまぁ、落ち着けって...はぁ」
……………ん?
1人まだ勘違いしてる奴がいる。
取り敢えず無視しよう。
「オーバーロードだと?何の事だ」
「白を切るな。俺のオーバーロードは何処にある」
「座禅をすれば済むことだろ」
噛み付く櫂を後から眺めていたミサキちゃんが息の整わない声で制した。
「私は先に行く」
さっすがねーちゃん...カッコいい。
「ふん」
諦めた櫂がねーちゃんの後に続く。
「あ、待てよ櫂っ」
俺達を追って残りの全員も寺の門をくぐった。
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