「その様子だとますます怪しいんだけど。まぁ、このまま僕が斬っちゃっても良いんだけどね」
そうだった...!
俺は始末されるかも知れないんだ...
「でも、近藤さんや副長さんが君を呼んでるから。ほら、行くよ」
はぁ?行くよ?
何言ってるんだ、この人!縄すら解いてくれないのにっ
「あぁ、ごめん、ごめん。縄を解くのを忘れてたね」
あははって...!
からかってるのか、笑いながら
俺を縛る縄をほどく。
何とか喋れるようにはしてくれたものの、手は縛られたまま。
この状態で部屋まで無言で案内される。
下手に口を開く事が出来ないからだ。
「連れてきましたよ」
「おぅ、入れ」
襖が開くと、そこには昨日見た奴がいた。
黒髪の長髪...どこか妖艶な桜みたいで...
美しい。
その他にも何人もの男たちが集まっていた。
その人たちが俺に向ける視線は、誰一人として優しいものはなく、冷たいものだった。
← /
→