予感
「蒼いなー」
学校に着き仰いだ空には
雲1つ無く、澄み渡っていた。
これでは雨なんて降りそうにない。
傘は持って来なくても平気だったかもね。
ただ邪魔になってしまっただけの傘を握り直す。
「あっついなー」
邪魔になるくらいなら
いっそ日傘に使ってしまおう。
いや、それではダサくないか。
憎い空を眺めて
暫く目を閉じた。
そうしていると、聞き慣れた着信音が聴こえてきた。
制服のポケットから音を発する携帯を取り出すと、
着信は美術部の先輩からだった。
相手を確認した私は
通話ボタンを押す。
「―――はい、もしもし」
嫌な予感がした。