土砂降りの雨は
「はぁー、笑ったら喉乾いた」
ちょっと飲み物買ってくる
と私をからかって笑っていた少年は立ち上がる。
「あ、俺はアイスも買うけどあんたも要る?」
教室を一歩出た後、扉から顔を出し訊いてきた。
ちらりと黒板の上にある時計を確認してみると、
丁度3時を差す針のせいで甘味が欲しいと感じてしまった。
「いる」
私の短い返事に
あいよ、と返事をして
じゃあ行ってくるわ、と手を振り
彼は買い出しに向かった。
行き先はコンビニだろう。
それほど遠く無いし、15分もすれば戻って来れる距離にある。
私は教室で大人しく彼を待つことにした。
待つ事になると、
消え去ったはずの睡魔がまた襲ってくる。
たった15分待つだけなんだ。
頑張って起きていようと
自分に言い聞かせ、窓の外を眺める。
土砂降り立った雨は
既に止んでいた。