【紫巫音さまから】後江高校のバレンタイン




2月になり、男子が気になるイベントの始まりだ。

そう、バレンタイン。

後江高校に通う櫂を中心とした四人は、友チョコかはたまた男同士で本命か。

「お、今月はバレンタインか。楽しみだな〜お前ら」
三和は、帰り道に後輩と櫂にバレンタインの話をきり出した。

「俺様が一番貰うぞ〜!!」
「森川、落ち着けよ。ってか、森川はバレンタイン関係無いだろ」

「井崎、何を言う。男に生まれた以上バレンタインは関係あ〜る!」

「森川、声下げろ。櫂が…」

すると、静かに聞いていた櫂が鬼の形相で言う。

「…うるさい(怒)」

櫂の一言で森川は静かになった。

「櫂〜櫂は、バレンタインとかって…」

「興味無い!」

「…だよな(汗)好きなチョコとかも無いのかよ〜」

「三和、聞いてどうするつもりだ?」

櫂は、三和から何かを感じ不機嫌になる。

「いや、べっつに〜」

「本当か?三和?」

不機嫌になりながら、三和に顔を近付ける。

「…あぁ。てか、櫂よ。顔近いんだけど」

「……」

「(可愛くないな)」

「何か言ったか?三和」

「何でもないですよ〜」

数日後…

三和と井崎は、ある話をする。

「なぁ、三和って櫂にでもチョコ送るの?」

「ん?そういう、井崎はあの森川か?」

三和は、悪戯しそうな笑みを浮かべ井崎に聞く。

「なっ、何で森川なんだよ!」

井崎の頬は、少し赤くなっていた。

「やっぱりな〜マケミ、欲しがってたもんな〜」

「三和は、櫂だろ?櫂、チョコ貰うやつに見えないけど…」

「…あぁ。あいつ、素直じゃないからな〜。けど、俺の前ではたまに素直だぜ(笑)」

「…分かったよ〜三和の櫂好きなところは。」

「井崎、お前な〜森川にバラすぞ(妖笑)」

お互いからかいあってから、本題に入る。

「チョコって買うよな?」

「いや?」

「えぇ〜!?三和、作るのかよ」

「あの櫂だぜ?買った物より作った物を渡した方がさ…喜ばねぇ?」

「櫂…料理出来るしな〜。三和は、手作りか」

井崎は、納得。

「ん〜どうせなら、井崎」

「な、何だよ…」

「お前もチョコ作らねぇ?まぁ、あいつらにバレないように…だけどな(笑)」

三和は、ニコッと笑い何か企んでるようにもみえた。

「…三和が出来るなら、教えて貰ってもいい。失敗しても森川なら食べるだろうし」

ボソッと井崎は、言う。
三和は、井崎の口から出た言葉を待ってましたと言わんばかりに手をガッツポーズしていた。

「よし!決まりだな。明日から取りかかろうぜ!最初は、味見兼ねて作って井崎が慣れたら本番な(笑)」

「…マジかよ〜」

それから、二人は櫂と森川に内緒で部活を休みバレンタインに向けて作業を始めた。

その間、森川は櫂といる事に苛つきを覚えていた。

櫂は、平然としてたが隣に三和がいない事に違和感を覚えはじまる。


そして、バレンタイン当日。

後江高校でもバレンタインは、盛り上がりをみせている。

三和と井崎はというと…前日までにどうにか完成した。

後は、それぞれ想いの人に渡すだけだ。

部活後、それぞれ渡す事になる。

井崎は、帰る直前だ。


「も、も、森川〜!これ…なんだけどよ」

「ん?なんだ、井崎?って、チョコじゃねぇか〜(笑)俺様にくれるのか?」

「…あ、あぁ。お前の口に合うか分からないけど」

井崎は、目線を逸らす。

「本当は、コーリンちゃんが良かったが井崎!」

「何だよ、次は〜」

「今年、チョコ無いのは悲しいから貰ってやる」

「(…やっぱりな(汗)」


一方、三和は櫂に昇降口で渡す。


「櫂、待てって〜」

どうにか追い付いた三和。
櫂は、機嫌が悪いようだった。

「…何だ、三和。俺は、急いでる!」

「おま、友ぐらい待ってやれよ〜まぁ、いいや。ホラよ、櫂!」

俺は、チョコの入った包みを櫂に投げた。

櫂は、落とさないように受けとってくれたが不機嫌は変わらない。

「…俺に何だ?」

「明日感想聞くぜ〜じゃあな、櫂♪」

「お、おい三和!ッ…食べてやるか」

櫂は、三和の作ったチョコの包みを渋々貰って帰った。


後日
「……」
「何か言えよ、櫂」
「…お前にしては、旨かった。俺の好きな味だったからな…」
「じゃ、ホワイトデー楽しみにしてるぜ!櫂」
「…あぁ」
「(今日の櫂、可愛いけど…やめておこう)」


END



 


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -