CLAP LOG | ナノ
冷たい南瓜スープに南瓜の天ぷら。煮付けに茶巾絞り。パンプキンパイにカボチャプリン。サラダにしても美味しいし、タルトやアイスに加工しても甘くて最高。

「やっぱ10月はかぼちゃよね」

そりゃあもう、あたしの食指も動きまくるってもんよ!

「お前本当に食ってばっかだな」
「あんたは黙ってなさい」

汁物にしてもメインにしてもデザートにしても美味しいなんて、南瓜って奴は本当に食材として最高だと思う。値段も手頃だし、よっぽどじゃない限りどれを選んでも美味しい。最低限の調理法さえ間違えなけりゃ、南瓜自体の味が全部帳消しにしてくれる。
ていうか最悪切って煮込むだけでも十分美味しいしね。ああもう最高! 大好き!

「そんだけ食ってるのに胸にはいかねえとか哀れだな」
「だまらっしゃい!!」

赤く光るスリッパが空を切るものの、トラファルガーは読んでいたらしくひょい、と避けてしまった。うぬぬ、こいつどんどん避けるのが上手くなってる……! っていうか、ぶっちゃけきちんとヒットしたのなんて初対面の時以来なんだけどもね! ああああムカツク!!

「……」
「無言で睨むな。何考えてんのか大体分かるけどよ」

あらそう? と目だけで訴えるあたし。ちなみに喋らないのはあたしの口に南瓜のケーキが入っているからだ。生クリームも甘さ控えめだけどコクがあってとっても美味しい。これは当たりの中でもかなり高ランクだわ。

「美味そうに食うな」

ちょいとばかしげんなりした様子のトラファルガー。失礼な反応だと思うけど、あたしと食事した人間は大体こういう顔をする。例外があの大食い・麦わらのルフィ率いる麦わら海賊団だ。

「当然でしょ。美味しいんだもん」

けどまあ、あたしには関係無い話。嫌なら見なきゃ良いでしょっていうね。別にあたし、誰かと食事するの特別好きでもないし。勿論嫌いって程でもないけど。

「……」
「何よ」

何故か無言であたしを見つめるトラファルガー。こいつがこういう妙に畏まったような顔をするときは、実は大体どうでもいいことか面倒臭いこと考えているときだ。何となく後者な感じがするので、あたしは少し椅子を引いて距離を取る。が、

「あ゛っ!?」

一口大に切ったケーキを刺したあたしのフォークが、あたしの手首ごと捕まえられる。かと思えば哀れあたしのケーキちゃん、そのままあたしではなくトラファルガーの口の中へ……。

「甘ェな」
「……言いたいことはそれだけ?」

よしわかった。遺言はそれでオッケーなわけね。

「ケーキちゃんの仇!!」
「おっと」

何か「間接キスに反応しろよ」とか言われたけど知らないわよそんなん!
間接でも直接でもどうでもいいわ!! 食べ物の恨みは魚人島の場所よりも深いのよ!!
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