指舐め

 

「ガゼルー、アイス食うか?」


「……食う」

 


 バーンの方に歩み寄り、手を差し出したガゼルは手首を掴まれそのまま引っ張られてバーンの胸に倒れ込んでしまった。

 その事に腹を立てたガゼルは眉間にシワをよせて睨み付けた。

 

 

「……何をする」


「そう、怒るなってアイスやるから」

 

 

 溶けかけたアイスを見せびらかしながら『その前に、ここ』と、自分の唇を指差した。

 

 

「……なんだ?殴ってほしいのか?」

 

「お前、何でそう考えるんだ?普通に考えてキスだろ!ありがとうのキス!」

 

「……必要ないだろ。アイス、よこせ!」

 

「いやだ!」

 

 

 バーンがそう言いながら一歩、後に下がったため、もたれていたガゼルは前のめりになり、そのままバーンを押し倒して倒れてしまった。




「―ってぇ、……んっ?」


 倒れてもアイスを死守したバーンの腕を押さえつけ胸の上を馬乗りになって、ガゼルがアイスを舐め始めた。


「おい!誰が食っていいって言った!」


「うるさい」


「ぶっ!」


 バーンの顔を右手で押さえ黙らしながら、ポタポタと垂れはじめたアイスを舐め始め、その間に垂れたアイスが持っているバーンの手につき、ベタベタと手を汚した。

 

 

「おい!食うんなら自分で持てよ!」

 

「このままで、いい」

 

「いいじゃねぇだろ―!俺の手がベタベタじゃねぇか!」

 

「後できれいに舐めてやる」

 

「えっ……?マジ?」

 

 

 ガゼルの言葉に顔を赤くしたバーンを見て、クスッと笑うと

 

 

「うそに決まっているだろ」

 

 

 ―と、冷たいガゼルの言葉……

 

 

「てめっ、うそつきやがったな!」

 

 

 今度は怒りで赤くなったバーンを見て『おもしろい奴だな』と、思いながら舐めきったアイスの棒をバーンの手から取り、後へ投げ飛ばした。

 そして、溶けたアイスでベタベタになったバーンの指を一本ずつ丹念に舐め始めた。

 

 

「ちょっ、……おい!」

 

 

 言ってる事とやってることが違うガゼルの行動に驚くバーンの唇に人差し指を当て、黙らせ残っている指を舐め始めた。

 自分の指を舐めるガゼルを見つめながら『うわぁ…やばっ!このシチュエーション、結構エロいかも…』そんな事を考えているうちに、ガゼルは指を舐め終わり、掌を舐めていた。

 バーンはそんなガゼルの顎を掴み自分の方へ向かせた。

 

 

「なぁ、手じゃないトコも舐めて?」

 

「……例えば?」

 

 

 バーンはニヤッと笑い、上体を起こすとガゼルにキスをし、そのままゆっくりと押し倒した……


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