好きだから 「マモル…」 フィディオが後ろから抱きついて来た。 背中に顔を擦り付け、やけに甘えてくる。 「どうしたんだ、フィディオ?」 「んー……何でもない」 そう言いながらも、円堂に抱きついたまま離れようとせず、まるで猫が甘える様に体を擦り寄せて来る。 「マモル…キスして」 「うん?でも背中に抱きついてたらキス出来ないだろ?前に来いよ」 「…でも……」 背中にへばりついて離れないフィディオに円堂は右腕を上げ脇から後ろを覗き込むと顔を赤くしたフィディオと目が合った。 「フィディオ?」 「あっ……」 円堂はフィディオの腕を引っ張り前に来させた。 顔を赤くし俯くフィディオの頬を両手で包み込み上へ向かせて、キスをする。 「んっ……」 甘くて深いキスにフィディオが『もっと』と欲すると円堂はそれに答え、何時しか二人は強く抱き合っていた。 フィディオの耳元の髪を梳いてやると、気持ち良さそうに、体を委ねてきた。 円堂は唇を離すとフィディオの耳元で囁いた。 「もしかして、溜まってる?」 「うっ……」 耳まで真っ赤になったフィディオは顔を円堂の肩に乗せ、小声で答えた。 「だって最近、会ってないから……」 「先週、会っただろ?」 「……だって…マモルのこと、好きだから……だから…あの……」 円堂は言葉に詰まったフィディオの頭を優しく撫でながらギュッと抱きしめた。 「俺だって…毎日、抱きたいぐらいフィディオのこと好きだぜ」 「本当?」 顔を上げ、真っ赤にして嬉しそうに照れてるフィディオが心底、可愛いと思った円堂はチュッと軽くその唇にキスをすると、額をフィディオの額につけて、囁いた。 「今から、しようか?」 「えっ……と、……うん…」 「じゃ、俺の部屋に行こうか」 円堂は恥ずかしそうにしているフィディオの手を引いて、自室へ向かった。 |