君の顔



「まもる!」

 夜、静かなグラウンドで星空を眺めていると後ろから声をかけられ、振り向くとニコニコと笑顔のフィディオが近づいてきた。

「やぁ!フィディオ、どうしたんだ?こんな時間に」

 タッタッタッと俺の元にやって来ると、顔を覗き込むように近づけ囁いた。

「こんなきれいな星空を見ていたら、急にまもるをハグしたくなっちゃったんだ。だから、会いに来た。」

「はぁ?………」

 フィディオは時々、本気なのか冗談なのかよく分からない事を言う。困惑気味の俺の顔を見てクスクスとフィディオが笑うと、からかわれたと思った。だから、同じように俺も笑った。
 すると、不意に左手を握りしめ引っ張られた。俺はバランスを失いフィディオの胸に倒れこんでしまった。

「わっ!!何すんだよ!」

 顔を上げ睨むと、グッと抱き締められ「えっ?」と思った瞬間、唇に柔らかい感触を感じた…
 頭を撫でながら優しくキスをされ、それが心地好く感じてしまい何時しかその身を預けていた…
 フィディオは唇を離すと頬にチュッとキスをし、そのまま耳元に熱い吐息をかけ囁いた。

「キスする瞬間のまもるの顔が好きなんだ」

「何なんだよ‥‥‥」

 顔を真っ赤にして、俯いてる俺を「かわいい!かわいい!」と言いながら、フィディオは優しく抱きしめてくれた―‥‥‥





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