『いいなぁぁぁぁぁ…』

「そんなにみてもあげないから。」

はい、今私はトウヤくんが持っているヒウンアイスをみています。いっつも売り切れのヒウンアイスをみています。

『ねぇ、一口でいいから!!お願い!!』

「だーめ、名前の一口は一口じゃないもん。」

『むー…トウヤくんのケチ!!』
そう言っている間にもどんどんアイスは減っていく。

『美味しそうだなー…冷たそうだなー…甘いんだろーなー…いいなあぁぁぁぁ…』

「名前が思ってる通り美味しくて冷たくて甘いよ。」

そう言ってトウヤくんは最後の一口を食べてしまった。


『あぁ!!…ト、トウヤくんのバカ!!ケチ!!』

「あのなぁ…」

『ふーんだ、アイス食べたかったのに…』

「そんなに冷たいの食べたいの?」

『うん』

ちゅっ

トウヤくんの口が私の口に重なる。

「俺とアイスどっちが冷たい?」

満足気にトウヤくんは笑みをみせる。

『し、知らない!!』

きっと今の私はオクタンみたいに真っ赤な顔してるんだろうな…

*アイスと君*






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