「名前、マスク暑くないの?」

『うん!!暑くないよ!!』

私にはコンプレックスがある。
それはこの前歯…ようするに出っ歯なのだ。
昔からこの出っ歯のせいでイジメられていた。
ネズミ、ネズミ女などなど…
だから私はマスクをしている。出っ歯を見られたくないから…

「それより、お昼ご飯はやく食べよう?」

『あ、ごめん!!今日も約束してるんだ!!』

「そうなの?じゃあまたあとでね!!」

そういって屋上へ向かう。

約束なんて嘘。

人とご飯を食べたくないから人がいない屋上へ行く。

『ご飯!!ご飯!!』

「なぁ。」

『!?』

誰もいないはずなのに、今日は同じクラスのゴールドくんがいた。

しょうがない、別の場所に行こう。
そう思い、屋上の入り口に向かっていたらいきなり腕を掴まれた。

「なんで違うとこ行くんだ?これも何かの縁だ、一人なんだろ?一緒に食おうぜ!!」

ゴールドくんはそう言ってニカッと歯をみせて笑った。

そうやって笑えるゴールドくんが羨ましいと思った。逃げたくなったのが本心だ。しかし腕を掴まれては逃げられない、しょうがないから一緒に食べることにした。



[ 13/15 ]

[*prev] [next#]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -