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『放してよ!!』
「だーかーら、顔あげれば放すって」
だんだん恥ずかしさが消えてそれは怒りに変わった。
顔を見せれば終わる。
そう思い、私は顔をあげた。
『これで満足?私は出っ歯なの!!出っ歯でブスなの!!だからそれを隠していたの!!昔されたいじめをもう二度とされたくなかったから!!』
あーあ。
言ってしまった。知られてしまった。
もうやだよ…
そう思っていたらゴールドくんが口を開いた。
「まず最初にさ…お前が気にしてたことを何も知らずに見たりして悪かったよ…」
『…』
「だけどさ、俺お前はマスクしてないほうが可愛いと思うぞ?」
・・・はい?
なにを言ってるのゴールドくん…
『嘘だよ!!だって出っ歯だもん!!可愛いなんて思うわけないよ!!』
「だから、俺は可愛いと思ったの!!お前さ、マスクしてるからよくわかんなかったけどすげー綺麗な肌してるし、目くりくりしててすげー可愛いよ!!」
そんなこといわれたの初めてで理解できなかった。
『ネズミとかいわないの?』
「ネズミ?いや、ネズミって言うよりリスじゃね?ほら、リスって目くりくりしてる。」
リス!?
そんな可愛いものに例えられたのも初めてだ。
『ゴールドくんは変なことばっかり言うんだね…』
「そうか?」
『うん、でも…ありがとう。』
「おう!!」
そう言ってゴールドくんはまたニカッと笑った。
だから私も笑ってみた。
マスクをしないで笑うのは何年ぶりだろう…
「ほら、笑ったってお前は可愛いぞ?」
『恥ずかしいよもう!!』
そう言ってゴールドくんの背中をたたくと痛っと言って笑っていた。
「お前って以外と鈍感なんだな!!」
こりゃ先が長くなりそうだ。とゴールドくんが言っていたけれどこの頃の私はその言葉の意味をまだ知らなかった。
この二人の関係が恋人になるのはもう少しだけ後の話。
*マスク少女*
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