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「名前、マスク暑くないの?」
『うん!!暑くないよ!!』
私にはコンプレックスがある。
それはこの前歯…ようするに出っ歯なのだ。
昔からこの出っ歯のせいでイジメられていた。
ネズミ、ネズミ女などなど…
だから私はマスクをしている。出っ歯を見られたくないから…
「それより、お昼ご飯はやく食べよう?」
『あ、ごめん!!今日も約束してるんだ!!』
「そうなの?じゃあまたあとでね!!」
そういって屋上へ向かう。
約束なんて嘘。
人とご飯を食べたくないから人がいない屋上へ行く。
『ご飯!!ご飯!!』
「なぁ。」
『!?』
誰もいないはずなのに、今日は同じクラスのゴールドくんがいた。
しょうがない、別の場所に行こう。
そう思い、屋上の入り口に向かっていたらいきなり腕を掴まれた。
「なんで違うとこ行くんだ?これも何かの縁だ、一人なんだろ?一緒に食おうぜ!!」
ゴールドくんはそう言ってニカッと歯をみせて笑った。
そうやって笑えるゴールドくんが羨ましいと思った。逃げたくなったのが本心だ。しかし腕を掴まれては逃げられない、しょうがないから一緒に食べることにした。
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