ヘッド×サカナちゃん 「えーい。」 「……ねえサカナちゃん。」 じゃり、と鎖の音が鳴った。カタチだけの拘束は何時の間にか本当に自由な君の日常で、繋がらない鎖を引きずって歩くサカナちゃんはいつもどこか満ち足りた顔をしていた。まるで天使のような笑顔、細くて冷たい鎖が俺に絡みつく。 「何でしょう。」 「俺の台詞です。」 「ふふ、そうですか。」 くるくる踊る少女、擦れ合う金属音が甘やかに俺を締め付ける。何にも捕われない鎖は今や俺を捕らえていて、きっと誰よりも不自由なはずの君よりも俺は自由を知らなかった。 「君は何がしたいの。」 「貴方を繋いで居たいの。」 冷たい鎖の上から絡まる細い腕、低い体温。冷ややかな鎖にサカナちゃんの温度が溶け合って俺に飽和する。ふわりと香る髪は満天の星を零すような、まるで穏やかな夜の匂いがした。 「そんな鎖なんかじゃ俺は繋げないよ。」 「わかってるわ。」 「なら、」 「それでも、貴方を繋ぐことであたしは貴方に繋がれていたいから。」 鎖よりもその細い腕よりも、ずっと重くて愛しい言葉を吐いたサカナちゃんは泣きだしそうな顔で笑った。 「…えい。」 「え、う、どうして、」 「なら俺も、君を繋ぐことで君に繋がれていたいから。」 じゃり、と鎖の音が鳴った。解けてしまった、解いてしまった鎖の代わりに俺も君を繋ぐから。だからそんな泣きそうな顔しないでよ。 「馬鹿な人!」 泣きだしそうな笑顔は変わらず、けれど幸せそうに唄う君の言葉はこんなにも俺を優しく繋いで居た。 110308 これでもヘッドなりに怒っている…のだと思いたい私^p^ぎゃふん、あんまりリクエストに沿えて居ない話でごめんなしあ><><>< |