G×雨月



情事の後、決まって私の髪を撫でるその骨ばった指が好きだった。無造作に掻き乱していくくせに誰よりも優しいその指先が、同時に私の心も掻き混ぜる。その度に御主を好きだと叫ぶ心臓に、どうかどうか気づかないでいて欲しい。


「ねえ、」
「何だ。」
「私の世界は御主です。」


触れあった指先から伝わる体温がどうしようもなく愛しい。絡み合う五指から私の想い全てが御主に伝わってしまいやしないかと少し不安になってしまう。嗚呼だって少しだけ照れくさいのです。私ばかりがこんなにも御主に執着をしているようで。


「私はきっと御主が居ないと生きてなんていけない。」


私の世界は御主で、そして願わくば御主の世界が私であったらと。なんて、少しそれは望み過ぎですか。ふ、と柔らかく三日月を浮かべた唇に今なら死んでしまったとしてもいいような気さえした。


「、誘ってんのか?」
「ふふ、ばあか。」


こつりと触れあう額、飽和する二酸化炭素。今が世界の終わりなら、きっと始まりも御主。重なる唇は甘く、私はまたこんなにも御主に溺れて浮上することができない。





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110215
雨月たそに「ばあか(額同士こつん)」てやられたい願望が爆発した結果がこれだよ!

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