シャマル×山本



(なんでこんなに好きなんだろう。)


隣で眠る黒髪を撫でる。いつも俺よりも先に眠るのはきまってあんただった。俺の方がきっと体にかかる負担は大きいはずなのにな、だって普段の用途とは全く違った方法で、ありえねぇ器官をつかっているわけだし。だけど甘やかに残る腰の痛みも、腹ん中で濁った白い感覚も、全部全部がとても愛しかった。


(好きだ、好き、)


俺がこんなにもあんたに焦がれているということを、きっとあんたは知らない(、知らなくていい。)規則的な寝息は優しい鼓動、いっそこのまま朝なんて来なければいいのに。ひとりぼっちの夜にはもう慣れてしまったから。だってあんたはこうして俺の隣にいるけれど、きっと俺の心はいつもひとりぼっちなんでしょう。


(朝がくるのが怖い。)


朝になるとあんたは子供騙しのキスをひとつだけ残して俺を置いていく。ひとりぼっちの夜よりも、もっとずっと孤独な朝。部屋からでていくあんたは一度俺を振り向いて、何かとても愛おしむような目で俺を見る。その目が好きで、大好きで、だけどあんたのいないベッドはとても広くて居心地が悪いよ。


(本当に、朝なんてこないままでいてよ。)


優しい体温に溶けるように甘い夢が俺を誘っていた。どれだけ拒んだところで朝日はのぼって、大好きなあんたの隣で迎える大嫌いな朝はきっともうすぐそこだ。





(、けれどあなたのいない朝が怖い。)





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110215

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