臨也×静雄 !ばれんたいん ごすっ。 何やら重たい音が頭にヒット。涙目。振り向くと既に歯をぎりぎりと鳴らしながら青筋立ててる単細胞生物が一人。足元を見ると汚いラッピングが施された小さな包みが一つ。 「何のつもり、シズちゃん。」 「るせぇ死ねノミ虫野郎!」 えええ俺別に今日は、何もしてないんですけど。暴言吐くだけ吐いてから、俺に背を向けてのしのし歩きだすシズちゃん。俺の頭と熱烈なキスを果たしたその箱は、今や地面とラブラブ熱愛ちゅー。よいしょと拾い上げるとその隙間からは甘ったるい匂いがした。 「シズちゃあーん、これって俺にくれるの?」 「たまたま手が滑ったらてめぇの頭に当たっただけだろ勘違いすんなノミ虫!!」 (でも、回収はしないんだね。) 曲がり角に消えてしまったシズちゃんの後ろ姿が、耳まで赤かったのは気のせいじゃないんでしょう。汚い包装を剥がすと中からは安っぽい板チョコが一つ。 「ふっ…あはははっ!こういうのって普通は手作りでしょ!ほんとに馬鹿なシズちゃん!」 だけどさ不器用な君からの告白を受け取ってあげる。ばかなシズちゃん、だから俺は君のことがだいきらいでだいすきなんだよ。 title...深爪 110212 |