臨也×新羅



組み敷いた細い体は病的な白さで、まるでどこかか弱い少女の姿すらも彷彿とさせた。馬鹿げてる、俺を見上げる瞳は俺と同じれっきとした男だ。なのにどこかこちらを馬鹿にするような笑みすら浮かべるこの男に、俺は確かに欲情している。あーあ、ほんとに馬鹿馬鹿しいや。


「俺、今からあんたを犯そうとしてんだけど。今の状況ちゃんと理解してる?」
「ああそうだね、そうだ。うん、困ったなあ。」


間延びした声には緊張感のカケラもない。何時だってそう、この男は余裕に満ちている。だから俺は何時も何時もその余裕をぶち壊してやりたかったんだ(、と言うのは半分くらいが建前で、残りの半分は今単に俺がこの男に欲情したというそれだけだった。)


「抵抗しないの?」
「俺は無駄な事に労力を使うのはとても無駄な行為であると思うんだ。つまり、俺が抵抗したところで君は止めないと思ってね。」


あんたのそういう所が嫌いじゃないんだ。白い首筋に歯を立てて、このまま食いちぎってやろうかとふと思った。このまま死姦に洒落こむなんてそれも乙じゃん。なんて、自分でも中々に気の狂れた思考回路は上々。


「それじゃ、俺はあんたを好き勝手犯すよ。泣こうが喚こうが、絶対に、止めない。」
「どうぞご自由に、体は犯されても僕の心は永遠にセルティのものさ。」


(…萎えちゃった。)恥ずかしげもなく吐き出された台詞、あんたのそういう空気の読めないところが嫌いだよ。冷めていく熱に苛立って力任せに薄い唇に噛み付いた。成る程、どこまでも俺を誘うそれからは確かに影の味がした。(何故だ。それなのにまた、どうしようもなく欲情、する。)零度に下がった高揚が直ぐにまた沸点まで到達して、その繰り返し。ああ、あんたには敵わないよ。





欲情エタニティー
(悔しいことに。)





title...自慰

110119

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