リボーン×ヴェルデ



セックスをした日の朝は言いようのない虚しさに侵食される。

奴の吐き出した精子達を中から掻き出してしまわないのはくだらない私の意地だった。(みんな、私の中で死んでしまえばいい。)子どもが宿る代わりに私を苛む甘やかな腹痛が、奴との背徳的な交わりを赦してくれているように思えたから。全くに馬鹿らしい、奴の事になると途端に女々しく下降していく己の思考が大嫌いだった。


「ヴェルデ。」
「何だ。」
「愛してるぞ。」
「馬鹿馬鹿しい。」


空々しい嘘にはうんざりだった。(セックスの度に紡がれる偽りの愛に跳ねる心臓にも。)けれど私らは繋がる、それが種の保存に関して全く無意味な行為だと知りながら。奴の心情は知り得ない。恐らくただの性欲処理の手段の一つに過ぎないのだろう、奴に抱いて欲しいとねだる牝豚なんぞは腐る程に居るだろうから。奴にとってこんなセックスはただの気まぐれだ、女を抱くのに飽きたただの暇潰し。


(本気で堕ちてはいけない事なんて初めから理解していたのに。)


「くく、可愛くねぇ奴。」
「結構。」


気付けば渇望していたのはこんな低俗な行為ではなく愛だった。だからこそ私は奴を求めるのだけれど、愛なんて形のないものが手に入る訳は無いから。擬似的行為に乗じて、まるで男女のように求め合う。奴の吐き出す熱は朝には私の中で冷え固まってどろどろと零れ出してしまうのに。


(すきだ。)


その単純な一つの言葉だけがどうしても言えなかった。





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101209
ヴェルデたんにリボ様の愛人を牝豚って呼ばせたかっただけの話。

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