壊れた愛情チェッカー※



帝人くんが突然“ペットごっこ”をやりたいと言い出した。
どう考えてもそこで拒否るべきだったのに、「へえ帝人くんって動物好きなんだ、可愛い趣味してるなあ!」などと暢気に構えていた俺は何て馬鹿だったんだろう。

「臨也さん、お手」
「お座り」
「その場で3遍回ってワンと鳴いてください」

と来て、ムードのために首輪まで装着されている俺としてはそれだけでも屈辱的だというのに、

「じゃあ次は、僕の前でオナニーしてもらいましょうか」

「いやいやいや!流石にそれはないでしょ帝人くん!」

俺はそこで初めて異議を唱えたが、自分が一切の衣服をまとっていないためか発した言葉に今ひとつ自信が持てなかった。
一方の帝人くんは俺を試すかのように冷たい真顔のままこちらを睥睨し、カチッ、カチッと無造作にボールペンをノックする。
音に呼応して背筋にぞくりと戦慄が走った。

「僕の言う事が聞けないんですか?ぶっちゃけ愛してないんですか?」

「うん?今そういう話じゃないよね?――って帝人くん?」

そのとき初めて彼の手にロープが握られているのに気付き、俺はぎょっと目を瞠る。

「ソレ何に使うの?」

「ええなぁに、ちょーっと臨也さんを、――縛らせて――もらうだけ――です!」

「ギャー痛っ!痛いってばー!」

声を上げても帝人くんが手を止めてくれる気配はなく、あれよあれよと言う間に、俺は全身太いロープで縛り上げられてしまった。
太腿は大胆に開脚した状態で固定、二本の腕は背中で拘束されて使えなくなっている。
それがなくても全裸だというのに、これじゃあ変態が神がかっているというものだ。

「ねえちょっと!何するつもり!?」

「さぁ、何でしょうね?」

帝人くんは俺の問いをはぐらかした上に気味の悪いうすら笑いを浮かべながら、むき出しの乳首に手を伸ばしてきた。冷房の寒気で勃ちあがっている突起をちょいと片方つまんでくりくりと捏ね始める。

「え、何、やめてよ…ンンっ!」

くすぐったい感覚はとどまるところを知らず徐々に激しさを増し、帝人くんの両手はそれぞれ俺の両胸を愛撫する。
俺はびくびくと痙攣して反り返る身体を腕で支えることもできずに、ゴロリとフローリングに転がった。その上に帝人くんの体重がかかり、蛍光灯で逆光に翳った童顔に浮かぶ灰色の目がすうっと愉しげに細められる。

「気持ちいいですか?…まあ、そうですよね。そこ、そんなになってるんですから」

硬く成長して蜜を零し始めた俺の中心を面白がるようにチラリと見やったが、華奢な指先は相変わらず胸の辺りだけを集中的に責め続けている。

「――う、ねえ…帝人くんお願い」

もどかしい刺激に唇を噛むと、そこにすっと人差し指を押し当てられた。



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