regret※



※臨也視点でものすごくシビア。彼に純粋な好意を持つ方にはキツイかもしれません



「臨也さん。――顔、もっとよく見せてくださいよ?」

「ンっ……!」

顎をぐいと掴まれ、無理矢理正面を向けさせられる。
派手なオレンジ色のルームライトを頭上から浴びて暗く翳った少年の顔は、下からははっきりと判別できない。円らな青灰色の瞳に差す光だけが不気味にちろちろと揺れた。

「ああ。すごく、綺麗…」

ひんやりした手のひらで頬を撫でられ、ぞわり、と背筋がおぞ気立つ。
胎内に穿たれた肉芽がゆるやかに内壁を滑りながら脈動したことで、思わず吐息を漏らしてしまった。
帝人君はそんな俺の声に静かに耳を傾けてからくすりと笑い、挿れたままのキツイ体勢で俺の首筋に唇を寄せた。既にいくつか華を咲かせた皮膚を首から胸に沿ってしつこく甘噛みし、赤い痕を増やしていく。痛みにしかめた俺の顔を満足そうに眺めながら、空いた手で胸の突起を捻りつぶす。ちゅうと口で強く吸われればただ甘い嬌声が喉をつき――。
そのときぐい、と唐突にピストン運動が再開された。

「、ひ!…ァんっ……ッ」

どくどくと先端から溢れ出す先走りを細い指で掬いとり、腹上の少年は艶やかに笑う。

「ああ、楽しい。最高ですよ、臨也さん」

「ン…も…やめ、てくれない…っ?」

「へーえ?僕で散々遊びつくしたくせに、よくそんなことが言えますよね」

――彼の言葉は嘘じゃない。
田舎から出てきたばかりの無知そうな少年だったから欲の捌け口として利用した、ただそれだけ。
ほんわかしたその見た目通り人間観察力の薄い帝人君は、大人の男を気取った甘い言葉を囁いてやれば簡単に釣れた。衝動的な欲求に任せて何度も抱いた。いともたやすく壊れ得る脆い愛を紡ぎながら、まるで自分自身が彼の居場所であるような錯覚と安心感を与えてきたつもりだったのだが――
実際はこちら側の方が相手に溺れていたのだと、今日初めて知らされた。

「ねえ、解ってるんですか?僕を甘く見ないでくださいよ?」

愛らしい大きな瞳がすうっと鋭く細められる。俺の手の内に抱きこんでいたはずの少年はいつの間にか狡賢く変わってしまっていた。
男にしては華奢で柔らかな彼の手は両肩を上から押さえ込むと、中を抉るように腰を打ち付けてくる。何度も、何度も。
俺がこれまで彼にしてきたように。
けれどそのやり方よりも、少々荒々しく、内に秘められた静かな怒りを体現できる方法で。

「っ…はあッ、」

シーツを掴む手に力がこもる。口元は痛みと快感の交じり合った激しすぎる刺激にだらしなく緩み、口端から涎が溢れた。
帝人君はぎゅうと俺の熱の中心を片手で握りこみ、湿った音を立てながらぐちゅぐちゅとこすり上げていく。意図せずして大きな声が出て、中がヒクヒクと痙攣した。

「は…ッ、っァあン!…ァ、アッ、」

俺は鋭く息を詰め、赤黒く充血した先端からどぴゅ、どぴゅと白濁液を撒き散らした。
帝人君は微かに目を眇め無言のままさらに何度か腰を打ち付けると、俺の中一杯に欲を出し切り、萎えたモノをずるりと引き抜く。
腹の上に飛び散った白濁を面白そうに見下ろし、しゅるりと舌なめずりをする。その様はまるで俺の知らない別人だった。

「そうだなあ…手淫に口淫、アナルときて、次は何をしてほしいですか?」

彼はゆるりとこちらに身体を寄せ、楽しそうに語りながら既にうな垂れてしまった俺のモノを片手で弄び始める。

「尿道攻め…あとはカメラに収めてネットに流すとか…ああ、そうだ。スカなんかも良さそうですね」

恐ろしいことを平然と口にしながら、先端の割れ目にキイ…と爪を立てる。
痛みを堪えていた俺は彼の最後の一言にぎょっとしかけ、しかしそれを悟られまいと僅かに視線を逸らした。



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