いっそ清々しいね※
「ふっ、くふふふふ…」
遂にこの日がやってきた。
え?何がっていうと帝人先輩のお宅に初のお泊り…それすなわち、俺の処女喪失の日が!
さっき一緒にご飯を食べてシャワーだって済ませたし、後は先輩の夜のスイッチが入るのを待つだけだ。
「ふひひひひひ…あはっ」
「何笑ってるの?…ていうか、ねえ、コレ青葉くんの荷物だよね?」
俺が嬉しすぎる妄想に浸りながら畳の上でジタバタしていたら、不意に部屋の隅から不機嫌そうな声が聞こえた。
くるりと首を回転させれば、何故か鼻の上に皺を寄せた先輩(それでもラブリー!)がこちらを睨んでいる。その足元には俺の鞄からはみ出した私物が転がっている。
それを見たらまたイヤン!な妄想が甦ってしまい、思わずぐふっと笑みがこぼれた。
「いざというときに必要なものなら何でも揃ってるんで、使いたくなったら言ってくださいね!」
「ボールペン十本も?しかも綿棒にガムテープ…この皮の帯みたいなの何?」
「えっと…」
――先輩ったら、これが何かも知らないのかな。
「それはボンテージっていって拘束着っすよ。――ああ、そうだ!それで早速俺を縛ってくれませんか!」
「え!?ちょ、青葉くん固いの当たってる…!」
身を起こして抱きつくと、先輩はぐいぐい主張する俺の分身に気付いたらしく、露骨に嫌そうな顔をした。
「もう、やめてよ気持ち悪い」
そうは言ったが、先輩は何故か唐突にズルリと俺のズボンとパンツを引き釣り下ろした。
「え?――え!?」
自分でも何が起こったのか分からなくて一瞬固まってしまう。
大胆にスライドされた下着からポロリと性器が露出し、俺は思わず熱くなる顔を手で覆った。
「やん、恥ずかしっ…」
――まだ夜も更けてないのにもう始まっちゃうの!?え、早くない?帝人先輩、そんなに俺に興味あるのか!?
…と期待したのも束の間で、彼は転がっていた俺のガムテープを手に取ると、顔を顰めたまま俺のモノを掴んで棹全体にまき付け始めた。ぐるぐる、ぐるぐる。あっという間に茶色いぐるぐる巻きの塔が完成する。
「はい、でーきた!」
「なんすかコレ」
「いや、ほら――卑猥なものはこうして封じておかないとね!」
先輩は戸惑う俺を見上げニコリと笑った。
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