SEXY PANIC:01
「んんー…シズちゃの首…討ち取った…り…、ぐあッ!」
折原臨也は満足げに微笑みながら寝返りを打ち、直後ベッドの角に頭をぶつけてハッと目覚める。
(なあんだ、夢かあ。って、アレ!?)
目をこすりながらキョロキョロと周りを見回せば、視界に飛び込んでくるのは全く見覚えのない部屋。臨也は寝ぼけ眼を訝しげにひそめた。
――ここは一体どこ。
少なくとも普段自分が寝起きしているマンションではない。この生活感のなさからして――ホテルか?
もぞりと身じろぎし、ベッドから身体を起こす。
そこで重大な違和感に気付いた。
「!?む、むむむ胸が…!」
あるはずのない胸部の重みに驚いて視線を落とせば、そこには確かに二つの膨らみが存在していた。
「え、ちょ、何コレ!?え?マジ?いやいや、どうなってんの!?」
チラ、チラと誰も見ていないことを確かめてから、両手で鷲掴んでほむほむと揉んでみる。ブラジャーを着けていないため、豊満な感触がそのまま手に馴染んだ。
「え?え?ちょ、スゴいよコレ――うわあああああーッ!!」
彼はそのままベッドから飛び出すと、猛烈な勢いで洗面所へ直行した。
一方、その同じ頃――。
「…誠二…誠二…あァん…んなトコ…さわっちゃイヤあ…、うぅッ!」
臨也の秘書・矢霧波江は、やはりベッドの角で頭をぶつけてハッと目覚める。
こめかみを押さえ、まだどこかぼんやりした意識のまま不思議そうに瞬く。
当然ながら現実世界に最愛の弟の姿はなく、彼女はがっくりと肩を落とし暫しの絶望を味わった。
しかしそれも長くは続かなかった。
なぜなら下腹部の奇妙な違和感に気付いたからだ。どこか懐かしいような、じとじとと湿った不快感。
「え、ちょ、もしかして」
――ちびったの?私?いい年しておねしょだとでも言うつもり?
勢いよくベッドから飛び起き、バサリと布団を跳ね上げる。
発覚した事態はもっと最悪だった。
自分としたことが何故かパンツもズボンも穿いておらず、“ソコ”に“堂々と存在”する“ソレ”は、あろうことか透明の液体を垂れ流していた。
「え!?ナニコレ…イッヤアアアアアアアーッ!」
彼女は絶叫した。
生まれてこのかた、一度も出した事のない大声で。
20100614
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